V9監督で、10月28日に老衰のため亡くなった川上哲治氏(享年93=元日刊スポーツ評論家)のお別れの会を、巨人が球団として開くことになった。詳細は未定だが年内に都内で行えるよう、準備を進めている。当初、ささやかなお別れの会を川上家が主催して開くことを考えていたが、球団から「仕切らせていただけないか」と申し出があった。川上家としても「球団にやっていただけるのならば、一番いいことですから」と任せることを決めた。

 川上氏は28日に東京・稲城市内の病院で息を引き取り、29、30日に近親者のみでの通夜と告別式を行った。自宅では弔問に訪れる人への対応などをしてきたが、故人の希望もあり、香典や供物などは受け取らず、ひっそりと送る考えだった。

 ただ、球界に多大なる貢献をした人物であり、川上氏を慕う人は数え切れない。故人をしのび、少しでも多くの人にお別れをしてもらえるよう、球団が取り計らう形になった。川上氏はスカウト網の整備やスコアラー制度の確立から、打撃練習中のBGMや移動時のスーツ着用まで、今では球界の常識となったものを取り込んだ創始者でもある。V9だけではない功労に、敬意を払う。