大物ルーキーは超優等生だった!

 野球日本代表の新生・侍ジャパンが6日、川崎市内のグラウンドで全体練習を行い、広島ドラフト1位の九州共立大・大瀬良大地投手(22)がブルペン投球を絶賛された。初めて履いたスパイクや統一球にもあっさり適応した。首脳陣たちを驚かせ、台湾戦(8~10日)での登板にはずみをつけた。

 仁王立ちしていた矢野バッテリーコーチが思わず、捕手目線まで膝を曲げた。大瀬良からボールが放たれる度、興味深く軌道を追った。「カットボールは縦に曲がるんか~」。阪神時代に現カブス藤川の剛速球を受け続けた名捕手が、納得顔で振り返った。

 矢野コーチ

 カットは縦に曲がる。右打者にも左打者にもいけるね。体が大きいのに、意外とテークバックが小さくてコンパクト。右打者の内に投げるのが苦手な投手は結構いるけど、直球を右、左に投げ分けられる。ドラフト1位らしいボールが来ていた。十分戦力になってくれると思う。

 侍ジャパンでの初練習。いざブルペンに立てば、緊張気味の表情がキリリと引き締まった。ワインドアップ、セットポジションから嶋らを相手に50球。最速153キロを誇る直球を簡単に内外角へ投げ分け、カーブ、スライダー、カットボール、チェンジアップも大崩れしない。巨人、西武で通算91勝131セーブの鹿取投手コーチも「良かった。戦力になる」と評価。ひと足早い「プロテスト」で高得点をたたき出した。

 2つの不安要素を抱えていた。1つ目はスパイク。普段は別メーカーを使用しているが、この日は支給されたミズノ社製を着用。アマチュア選手は代表が契約するミズノ社製を優先するというチーム方針から、初めてのスパイクで投球し「履いてみたら違和感はなかった」。2つ目は慣れない統一球。カーブ、チェンジアップの1球目こそ大きく抜けるも、2球目以降は安定。「滑るかと思ったけど、そうでもない。真っすぐはいい感じ。変化球も修正すれば問題ない」。国際舞台で必要とされる、高い適応能力を早速披露した。

 今日7日に空路で台湾入りし、翌8日からの台湾戦では中継ぎ登板する見込み。「ポジションにこだわりはない。任されたところで全力を尽くすだけ」。投球同様、コメントにもスキなし。速球力、変化球力、制球力、適応力、知力。逸材をグラフで表せば、大きくバランスの取れた五角形が作れそうだ。【佐井陽介】

 ◆大瀬良大地(おおせら・だいち)1991年(平3)6月17日、長崎県生まれ。霧島国分西小4年から「国分西野球少年団」で野球を始め、同5年から投手。霧島国分南中では投手と内野手兼任。長崎日大では2年秋からエースになり、3年夏に甲子園出場。九州共立大では1年春に新人賞受賞。2年春から3季連続MVP受賞。2年時に日米大学野球で日本代表。3年時はアジア選手権で社会人と合同の日本代表。187センチ、88キロ。右投げ右打ち。