日本ハム小谷野栄一内野手(33)が、忠誠心満点の残留を決めた。7日に札幌市内の球団事務所で交渉。今季取得したフリーエージェント(FA)権を行使せず、3500万円の大幅減の年俸7000万円で契約を更改した。恨み節は一切なく潔く約1時間の話し合いを済ませてサインした。「人間はお金で評価されるものではない。こんなトシ(年齢)まで野球をやらせてもらえるので(他球団移籍など)違う考えはなかった」。厳しい金銭条件にも、感謝の思いだけをとつとつと打ち明けた。
険しい来季へも前向きだった。09年から不動の三塁のレギュラー。最下位からの巻き返しを図る来季へ向け、チーム方針でコンバートに挑戦中の中田とのポジション争いを強いられている。「仲良く一緒にやれているから」。目をかける後輩の1人がライバルになり、危機感もある。「外野も内野も全ポジションやれる。そのための準備をしていきたい」。努めて前向きに、12年目を迎える決意も表明した。
昨季までの2年間は打率2割4分以下も、今季は2割7分5厘。FA権も保持と、減額を緩和する材料もあったが、下交渉の段階から球団提示にも異論を挟まず、素直に受け入れた。「悔しさが多すぎて、申し訳ない気持ちでいっぱい1日、一瞬を全力でやっていきたい」。球団が厳格な姿勢で臨む粛清のオフの第1弾、その象徴になったが反骨心あふれる。生え抜きスターがケジメをつけ、再出発する。【高山通史】



