絶大な信頼で「主砲手形」を約束した。日本ハム栗山英樹監督(52)は9日、秋季キャンプ地の沖縄・国頭で、中田翔内野手(24)を来季も4番で起用することを早くも明言した。今季本塁打王を獲得したアブレイユに加え、メジャー通算11本塁打の実績を持つ新外国人フアン・ミランダ内野手(30)が加入したが「真ん中(4番)は変わりようがない」と、4番を競わせるつもりはない。

 侍ジャパンの若き主砲は、当然チームでも4番に座る。就任以来、常に中田を4番で起用してきた栗山監督には、仮に元ヤンキースの長距離砲が入団してきても揺るがない信念がある。「ずっと打率が2割でも、大事なところでことごとく四球を選ぶだとか…、(相手が)翔を怖がって、他の打者が打つでもいいし。チームを勝たせることが大事」。打撃の好不調に左右されず、中田を中心に打順を組むことを決めている。

 構想は膨らむ。「例えば、アブちゃんが6番だったら怖いよね」。中田の前後を打つ3、5番をミランダ、稲葉、西川、大谷ら左打者で固められれば、6番に昨季の本塁打キングが控える重厚な打線になる。それもすべて、中田の4番を確定しているから広がるイメージだ。

 侍ジャパンでは左翼を守る中田も、チームでは三塁に挑戦中。実現すれば「4番サード」と攻守で要となる。栗山監督は「今の4番は走攻守で全力でできないと。翔はできると思ってやっている」。期待は、大きい。【本間翼】