阪神藤浪晋太郎投手(19)のフォーム矯正第2弾が始まった。イメージはレンジャーズ・ダルビッシュの「ため」だ。踏み出す足が三塁側に出るインステップの矯正をブルペンの傾斜を使って行った。プレートの両端から本塁方向に白線が引かれ、踏み出す足とテークバックの腕の位置の目安とした。約30分間で43球をネットに投じ「やはり平たんと感覚は全然違います」と汗をぬぐった。

 第2弾では上半身にイメージ改革だ。上げた左足を着地させる前に、上半身を過度にセンター方向にひねり、下半身も三塁側に行きがちだった。フォームに「ため」をつくる意識が強く、壁ができるのが早かった。終盤には中西清起投手コーチ(51)から右膝にゴムチューブをかけられ感覚を養った。

 「着地の時点で壁が出来ていればいいと思っている。それが大きな原因かと言われればそれだけではないと思っている。自分の意識のなかの話ですね。どこがどうなっているからという感覚を自分の中で見つけないことにはそうなっていかないと思うので」

 理想は高校時代から例えられるダルビッシュだ。中西コーチは「ダルは着地したときに(肩が)入っていく。藤浪は左足が入る前に捻転している」と解説。ダルビッシュの様に自然に体に壁が出来れば、下半身のインステップも直っていくというわけだ。大げさな改造ではなく、意識の中にダルのフォームを組み込んだ。

 第1弾から継続して行っている<1>右膝を折らない<2>プレートの使い方に、上半身の「ため」が加えられた。「本気で投げてないのでなんとも言えない」と話すが、踏み出す足を過度に意識させない中西流指導で着々と矯正が進んでいる。故障、シュート回転を防ぎ、対左打者に強いフォームへ。14年版藤浪は完成へと近づいている。【池本泰尚】