掛布チルドレンが大暴れだ。阪神秋季キャンプ初の対外実戦となった12日のオリックスとの練習試合(高知・東部)で掛布GM付育成&打撃コーディネーター(DC=58)から「小バース」と命名された森田一成内野手(24)、強化指定されている伊藤隼太外野手(24)が1発を放った。「小新庄」こと中谷将大外野手(20)も2安打3打点。打線全体で13安打8得点を奪い、若虎が早くも“掛布効果”を予感させる結果を出した。
6回、森田はカウント2ボールから外の球に逆らわずにバットを出した。打球は左翼へ。上空には右から左へ、強烈な風が吹いていた。まさに甲子園の浜風。それに乗った白球は、あれよ、あれよという間に左翼フェンスの向こう側へ。今秋の対外試合1号だった。
「センター方向を意識していました。掛布さんには自分の打ち方をすればいいと、体重移動だったり、基本的なことを言われています。一番のアピールができたかなと思います」
森田はウエスタン・リーグで16本塁打を放ち、本塁打王となった。その長打力、体格からキャンプ第1クールに掛布DCから「小バース」と命名された。猛虎伝説の助っ人バースは2度の本塁打王に輝いたが、左打者不利とされる浜風の中、逆にそれを利用する左翼への本塁打を打つ技術があったからこそだった。くしくも「小バース」と呼ばれた男が本家を想起させる1発。まさに期待通りの結果だった。
さらに強化指定選手の1人である、伊藤隼も結果を出した。8回、やはり外角の速球をたたくと、打球は左翼へ。風にも乗ってスタンドの芝生に着弾した。
「その打席まで、ちょっと形が悪かったので修正しようと思って、逆方向のイメージで打ちました。(試合の中で)修正できたというのは1つの収穫ですね」
掛布DCが就任後、真っ先に名前を挙げたのが11年のドラフト1位・伊藤隼だった。周囲から多くの期待がかけられる中、初対外試合で結果を出した意味は小さくないだろう。
“掛布チルドレン”の活躍に、和田監督も手ごたえを感じている様子だった。
「甲子園と同じ浜風というか。(球場が)狭いのもあるけど、しっかり打たないとあそこまでいかないと思うしね。甲子園を本拠地とする以上、ああいう打ち方も必要。しっかり踏み込んで打った結果でしょう」
今季のチーム総得点531はリーグ5位。チーム82本塁打は12球団ワースト。打撃低迷、若手伸び悩みを受けて掛布DC、オマリー打撃コーチ補佐が加わった。関川、高橋両コーチとともに今秋は積極性、速球への対応をテーマに猛練習してきた。それら全てを象徴しての表現が“掛布効果”だ。この日は東野、八木という実績ある投手は打てなかったのも事実だ。ただ、将来へ向けて種まきは順調に進んでいる。【鈴木忠平】



