ひじょーにそのー、うれしいですよね?

 掛布雅之GM付育成&打撃コーディネーター(DC=58)のうれしい悲鳴が聞こえてきそうだ。阪神が16日の練習試合、韓国LG戦(安芸)で10-0の大勝や。4番新井良が4回2死に先制の左越え本塁打を放つなど、13安打10得点。掛布DCが初めて見守った実戦で、若虎が躍動した。

 一塁側ベンチの横にあるカメラマン席から掛布DCは若虎の姿を見つめていた。攻撃中になるとイスから立ち上がり、身を乗り出すように見守った。熱血指導した選手たちが暴れ回り、うれしくないはずがない。「すばらしい!」「完璧だね!」。大勝を飾ると“お褒めの言葉”を連射した。

 次から次に若虎が指導の効果をみせつけた。「西田と北條には驚いたよ」と掛布DCが腕組みしながら振り返ったのは、7回1死走者なしからの攻撃。2年目西田が、中前安打で出塁。ここからルーキー緒方がライト線への二塁打でつなぎ、1死二、三塁。7回の守備から出場した北條が、左前へ2点適時打だ。北條は試合序盤、ベンチ横の掛布DCの前で、まだかまだかとバットを振り続けていた。掛布DCは「北條は守りから出ての打席でよく打った。1カ月の成果を出してくれた」と目を細めた。

 もちろん、結果だけで喜んだわけではない。中身が濃い試合だったからこそ、掛布DCの目尻も下がったのだろう。「西田は粘り強いね。追い込まれてからも、自分のかたちに持っていける」。西田はこの日、5打席に立ち、2安打1四球。相手投手に計28球を投げさせた。さらに出塁した全てで得点に絡んだ。「西田があれだけ活躍すれば、坂に刺激になるだろう」。チルドレンへの相乗効果も期待できるとあれば、喜びも倍加するのは当然だ。

 「小ミスター」こと新井良は先制のソロ本塁打を放った。4回2死、内角スライダーを打ち返した。打球は左翼スタンドへ。掛布DCは一塁ベンチへ帰ってきた新井良の肩を抱き寄せ、喜びを分かち合った。「軸の右膝が折れなかった。来年の打席での仕掛け方なんかのヒントになる2打席だったんじゃないかな」。さらに、「小バース」森田が2安打。「小掛布」今成も2安打。ミスタータイガースの加入で、確実に虎は生まれ変わりつつある。

 掛布DCも手応え十分の“初陣”。「強いメッセージを持って2月にもどってくるかだよね」。来春のキャンプでさらに成長した若虎たちに思いをはせていた。【宮崎えり子】