【台中(台湾)16日=古川真弥】来季の楽天は、1人2ポジションだ。アジアシリーズ出場中のチームは台中からバスで1時間半かけて、嘉義で練習を行った。かつて台湾が日本統治下にあった1931年(昭6)、同地の嘉義農林が甲子園準優勝した。いわば台湾野球の“聖地”で、星野仙一監督(66)が来季構想の一端を明かした。

 「本当は1人で2つ守れたらいい。捕手なら三塁か一塁。外野手なら二遊間。そうすればグッと層は厚くなる。(ベンチ入りの)投手を1人、増やせる」

 今季は基本的に、出場選手登録の投手は12人だった。野手が一人二役をこなせば、1軍投手を13人に増やせる。その分、盤石の戦力を敷けるというわけだ。

 監督の視線の先では、外野手の森山が遊撃、聖沢が二塁で、それぞれノックを受けていた。今シリーズ中に森山の遊撃起用の可能性を聞かれると「アホか」と一蹴したが、「あいつらはもともと内野手。どこでも守れる選手は必要だよ。誰もおらなくなったら使うしかないだろ」と言って、ニヤリと笑いもした。今季終盤には、投手の福山を代走起用したこともある。アジアチャンピオンを目指す最中でも、指揮官の頭の中では来季の構想が着々と進んでいる。