阪神藤浪晋太郎投手(19)が17日、新型スパイクを履いてフォーム矯正に挑んだ。試作段階ではあるが、左足が三塁方向に着地するインステップ矯正のために注文した特別仕様だ。ランチ前のブルペンでセット、ノーワインドアップを交えて22球の試投。ラスト2球は約2メートル前方に座らせていた捕手を本来の位置に座らせ、感覚を確かめた。

 「マウンドで試したのは初めてです。裏(アウトソール)の素材も違うし、変わってきます。いろいろ試している段階ですが、悪くはなかった」

 晋ちゃん特製スパイクは、右足と左足で歯の本数が異なるスペシャル仕様だ。軸足となる右足にはつま先側4本、かかと側4本の計8本の歯が据えられた。左足はつま先4本、かかと3本の計7本。左右で歯の本数を変える投手は珍しく、オリックス西ら数人しかいない。

 ポイントは歯が四角に配置されたかかと部分だ。プレートに足をかけて投げる藤浪にとって、歯が三角に配置されていた元来のスパイクでは、中央の歯が邪魔だった。まっすぐ立つために歯をプレートから外し、つま先が二塁方向にずれていた。この歯を削ったことにより、プレートと平行に立つことができ、足をまっすぐ踏み出す手助けをする効果があるとみられる。

 試作スパイク導入に加え、後方の地上約3メートルからのフォーム撮影も導入。踏み出す足に加え、テークバックの腕の位置、右膝の位置も同時に確認できる。“晋フォーム”完成へ、着々とステップを踏んでいる。【池本泰尚】