来季こそダブルエースでV奪回や!!

 阪神能見篤史投手(34)が24日、来季残留が決まったメッセンジャーとの「共闘」を誓った。左右の大黒柱として自覚十分で、理想は2人そろっての200イニング超えだ。能見自身、11年に突破した大台ライン。ともに大車輪の働きを示せば、05年以来の覇権奪回も見えてくる。

 甲子園クラブハウス下の駐車場に姿を現したのは午後3時前だ。能見は日曜日も体を動かした。もう来年を見据えている。この日、盟友メッセンジャーの残留が正式決定。「頼もしい。メッセは中4日とか、短い登板間隔でも行ってくれる。僕も若ければね。若くないからね(笑い)」と胸をなで下ろした。34歳の能見が好投を重ねるためにも、剛腕は頼れる存在だ。

 もちろん、助っ人に寄りかかるつもりはない。来季も先発の柱としてフル回転する。メッセンジャーが「200イニングを投げられるよう」と発奮すれば、能見も負けていない。

 「長いイニングを投げるに越したことはない。試合数やイニングもあるけど、平均7イニング以上は行けるように。今年も7回2/3くらい。(200回達成に)結果的にそうなればいい」

 左右のダブルエースが200イニングを超える働きを見せれば、優勝の可能性も高まる。阪神で同一シーズンに2投手が200回に達したのは92年仲田、中込以来ない。今年は3月のWBCに出場した影響もあり、肉体面を考慮しながら登板。それでも25試合で11勝7敗。180回2/3を投げてリーグ2位の防御率2・69。能見は11年に自己最多の200回1/3を投げた。来年は公式戦に集中できる条件も整い、可能性は十分だ。

 今オフも甲子園に通い続け、ウエートトレーニングを行っている。上半身と下半身をバランスよく鍛え、35歳になる来季に備える。「僕は若い方だと思う。でも、いつ、どうくるか分からない。体はね」。ベテランの域にさしかかった。危機感があるからこそ、休まずに動く。念頭にあるのは救援陣への思いだ。「試合の流れもある。リリーフの登板が多いときは、うまく休ませられるようにしないと」。チーム思いの左腕が虎視眈々(たんたん)と牙を研ぐ。【酒井俊作】