おめでたいけど、ちょっと気になる?

 阪神が4番候補として獲得したマウロ・ゴメス内野手(29=ナショナルズ)が、来春のキャンプ初日に合流できない見通しであることが20日、分かった。夫人が第1子を妊娠中で、出産予定日は2月上旬。球団も状況が落ち着いてから来日させる方針で、1週間ほどの遅れは確実になった。救世主と期待される「カリブの大砲」は、パパになる分、いきなり出遅れる。

 期待の4番候補ゴメスの初来日が2月にずれ込むことになりそうだ。現在、大きくなった夫人のおなかには待望の第1子がおり、出産予定日は2月上旬だという。中村GMは「(日本と)行ったり来たりするのも大変だしね。そこらへんは考慮してあげないと」と、パパになるのを待ってから来日する運びとなった。

 阪神の外国人は例年、1月下旬に来日して1軍キャンプ地の沖縄・宜野座へと向かう。キャンプインの2月1日は、プロ野球界で「元日」とも言われる。近年は各チームの主力が足並みをそろえ、一体感を持って始動。ペナントレースへ、よーいドンとなる。

 さらにゴメスは日本でのプレーは初めてになる。力勝負の米球界と違い、日本の投手は変化球を巧みに使う。配球傾向やバットで捉えるボールの感触は、1球でも多く打つことで慣れていきたいところ。野球だけではない。日本の文化や生活になじむことは成功への近道になる。チームメートにいち早く溶け込むためにも、早めの来日が望まれていた。

 来春の宜野座キャンプは5日連続で練習する5勤スタートとなる予定で、ゴメスの合流は7日からの第2クール以降になることが濃厚になった。かつては阪神に限らず、就労ビザの発給が遅れているなどと言い訳し、キャンプ終盤にようやく合流する助っ人が少なからずいた。ゴメスは人生の転機である出産が理由なだけに、もちろん心配はないが…。

 中村GMは「少々遅れても時間はあるからね。心配はしていません」と前向きだった。かわいいわが子の存在は、何よりもモチベーションのアップにつながる。「4番一塁」を期待されるカリブの大砲は、リーグ最少82本塁打に終わった猛虎打線の救世主となれるのか。首脳陣も虎党も早く見たい「パパゴメス」はきっと、遅れて来たヒーローになる…はずだ。