鉄人記録、オレが止めます!

 来季3年目の阪神西田直斗内野手(20)が21日、兵庫・伊丹市内で行われたイベントに参加。「ショートでレギュラーを取ります!」とファンに公約した。ライバルは、2年連続フルイニング出場中の鳥谷。むちゃな宣言とはいわせない成長株になる。

 西田の決意にファンも響いた。鉄人鳥谷を脅かす-。トークショー中、壇上で「ショートのレギュラーを取ります!」と言い切ると、320人集まった会場からは拍手が起こった。

 「ショートで全部守るのは鳥谷さんかもしれない。でもいつどうなるか分からない。いざ空いた時に監督が迷いなく僕をショートに使ってくれるように、レギュラーを取る気持ちで来年1年間臨みたいと思う」

 キャプテンを務める鳥谷は、球界を代表する不動のショート。2年連続フルイニング出場を果たし、今年はゴールデングラブ賞とベストナインにも輝いた名手。高くそびえる絶対的な存在だが、1軍でレギュラーを取るためには、鳥谷からショートの位置を奪うしかない。来季3年目の西田は強い気持ちで鳥谷に向かっていく。

 和田監督へのメッセージも忘れなかった。「僕を1軍の試合に出してください!」。大勢の前で公言するのは今季、大きな自信を得ていたからだ。西田は7月28日に初昇格し、即日試合に途中出場。2打席とも空振り三振に終わったが「ボールが見られて思い切り振れた。打てないわけではない」と手応えを感じていた。わずか数日だったが1軍の舞台を経験し、活躍したい気持ちが西田の中でわき上がってきた。

 セカンドを守る西岡と「二遊間を組みたい」。憧れの大先輩と、1軍で鉄壁の虎の二遊間を目指す。西田がショートの位置を奪いたい理由の1つだ。西岡も来年1月上旬の大阪市内で行われる合同自主トレに誘うなど、西田を気にかけていた。掛布DCも生え抜きの若手が台頭する重要性を、事あるごとに訴えてきた。

 来年1月に成人式を迎える。「いろいろと気持ちが引き締まりますね」。鳥谷のフルイニング記録を止めるのはオレ!

 20歳の誓いを実現させる。【宮崎えり子】

 ◆西田直斗(にしだ・なおと)1993年(平5)4月26日、大阪・柏原市生まれ。小学2年から野球をはじめ、柏原中では、ボーイズリーグ「八尾フレンド」でプレー。大阪桐蔭では1年秋からベンチ入り。2年春の甲子園に「7番一塁」で出場し、東海大望洋戦で3安打5打点。高校通算26本塁打。11年ドラフト3位。指名後に一塁手から遊撃手へ転向。今季のウエスタン・リーグ92試合で打率2割4分1厘、2本塁打、14打点。右投げ左打ち。186センチ、72キロ。