“ふるさと納品”で岩貞スタジアムを作る!
阪神のドラフト1位左腕、岩貞祐太(22=横浜商大)が3日、熊本市内の母校・必由館で自主トレに励んだ。高校時代の思い出をかみしめながら、プロ1年目を踏み出したルーキーは、照明設備等の将来的な寄贈に意欲。1軍スタートが濃厚な春季キャンプでは、目標とするエース能見に密着し、プロのエキスを吸収する。
苦しい思い出しかない。でもここを通らなければ今の自分はなかった。母校のグラウンドでキャッチボールやダッシュに励んだ岩貞は、自らの背中を見て頑張る後輩へのサポートを約束した。
「育ててもらった思いを込めて、甲子園に1回しか行っていないし、そう(寄贈)できるように頑張りたい」
自主トレを行う岩貞の傍らで、正月三が日にもかかわらず現役部員数名が自主練習に励んでいた。岩貞は高1の秋に投手に転向。「原点というか、高校で(本格的に)ピッチャーを始めた。一番きつい練習をしたここを借りようと思いました」。プロ1年目のスタートは母校から-。必由館の西田尚巳監督(48)が「死ぬほどやらせて走らせた」と振り返る練習の毎日。1日で軽く20キロを走ったこともある過去を思い出した。嫌いなメニューだった大縄を使っての縄跳びもこの日久々に行った。
プロ入り決定後、恩返し第1号として打撃ネット1台と、打撃マシン1台の寄贈を決めた。しかし、まだ強豪校に比べると環境面で劣る。照明は内野のみで、もちろん室内練習場もない。西田監督は「欲しいですね」と笑うが、岩貞がプロで大きな飛躍を遂げればそんな夢物語も現実になる。
1月上旬の入寮へ向け、元日も長距離走を行った岩貞は「まず最初の目標は開幕1軍です」と力強く新年の誓いを口にした。2月の春季キャンプは1軍の沖縄が濃厚。順調なら憧れの投手と慕う能見とのコラボレーションが実現する。
「エースの方なんで迷惑かからない程度にひっそりと近づきたい。プロの選手としての生活はやったことがないので、手本にしたい」
岩貞らしく謙虚な言葉だったが、表情は輝いていた。エースのエキスをとことん吸収し、大きな夢のスタートラインに立つ。【松本航】
◆岩貞祐太(いわさだ・ゆうた)1991年(平3)9月5日、熊本県生まれ。小学3年で外野手として野球を始め、東野中では軟式野球部に所属。必由館で2年春からエースになり、3年夏は県4強。甲子園出場経験はなし。横浜商大では1年春から出場。2年春は神奈川大学リーグ優勝に貢献し最優秀投手賞。同夏は大学日本代表に選出された。直球は最速148キロ。182センチ、78キロ。左投げ左打ち。背番号は17。
◆必由館(ひつゆうかん)1911年(明44)、熊本市立実科高等女学校として創立。49年熊本市立に改称し、01年から現校名。野球部は94年創部。03年夏に唯一の甲子園出場を果たしたが、1回戦で光星学院(青森)に敗退。主なOBは、プロ野球オリックス馬原孝浩、女子プロゴルファー平瀬真由美。熊本市中央区坪井4の15の1。



