復活へ、大きな1歩を記した。昨年4月に右肩のクリーニング手術を受けたヤクルト由規投手(24)が5日、仙台市内で自主トレを公開した。前日4日に2年ぶりという本格的な投球練習を再開し、さっそく連投した。

 ブルペンへと足を踏み入れると、日本人最速161キロを誇る剛腕の表情が、一気に引き締まった。25球の立ち投げ後、捕手を務めた兄の史規さんが、どっしりと腰を下ろした。公の場で座った捕手に投げるのは12年4月13日、2軍での練習試合、富士重工戦以来。多くの視線に「入団テストみたいですね」と苦笑いし、ノーワインドアップから外角低めへ直球を投げ込んだ。

 球はまだばらつきがあった。それでも「5球に1球ぐらい」(由規)は、スピンの利いた速球が放たれた。スライダー、カーブ、カットボール、チェンジアップと変化球も披露。セットポジションも交えて42球を投げ終えると、「この日を楽しみにしてきました。不安なく腕が振れるのが一番」と声を弾ませた。

 けがの功名もあった。フォームを見直し、無駄な力みが消えた。史規さんも「前は常に全力だったが、良い意味で力が抜けた。モデルチェンジしていますね」と分析。由規も「悪い球でも質が良くなっている」と手応えを口にした。

 4日には、初詣で仙台市内の大崎八幡宮を訪れた。絵馬に「七転び八起き」と決意を記し「とにかく優勝する」と手を合わせた。「壁に当たっても何とかはいつくばって、がむしゃらにやっていきたい」と3年ぶり1軍登板への決意をにじませた。今月10日から沖縄入りし、投げ込みを増やしてキャンプに備える。「今のところ順調。慌てずにやりたい」。はやる気持ちを抑えつつ、着実に行く。【浜本卓也】