【スコッツデール(米アリゾナ州)4日(日本時間5日)=久保賢吾】巨人菅野智之投手(24)が、メジャーのマウンドで初投げを行った。ダイヤモンドバックスの春季キャンプが行われるソルトリバー・フィールズ内の球場で、捕手を立たせたまま直球のみ15球。視察に訪れた元中日で現在はダイヤモンドバックスのシニアアドバイザーを務めるジム・マーシャル氏(82)から絶賛された。敷地内に13個もの球場が備わる同施設に刺激を受け、さらなる飛躍を誓った。

 キャッチボールを終えた菅野が向かったのは、マウンドだった。西村らチームメートが見つめる中、マウンドの感触を体全体で感じながら、2年目の“第1球”を投じた。踏みしめたその地は、毎年メジャーリーガーがしのぎを削る場所。夢のような環境で、スタートを切った。「昨日施設を見学させていただいて、(今日は)こういう機会を頂けたので、(マウンドで)投げることを目標に体を作ってきた。気持ち良く投げられた」と充実の表情で振り返った。

 仕上がりの良さを物語る15球だった。捕手を立たせ、直球のみだったが、視察に訪れたダイヤモンドバックスのマーシャル・シニアアドバイザーを驚かせるには十分だった。「非常にいいファストボールを投げているね。素晴らしいピッチャーだよ」と絶賛。現役時代はオリオールズなどメジャー5球団でプレーし、2球団で監督も経験。中日でも3年間プレーし、「金田(正一)さん、城之内(邦雄)さんはすごくいいピッチャーだった」と懐かしんだ同氏の眼鏡にかなった。

 昨年は1月6日に年明けの初ブルペンを行ったが、それをも上回るペース。異例とも言える早さでの仕上がりだが、昨年12月下旬からのアリゾナ自主トレの順調さが如実に表れた結果だといえる。「今日も投げられましたし、体の状態はすごくいいと思います」と手応え十分だった。キャッチボールではすでにカーブも解禁。2年目のシーズンに向け、着々と調整が進む。「僕自身はいい環境の中、本当に充実してできています」。真っすぐ見つめた先に、広大なアリゾナの山々が広がった。