日本ハムの守護神・武田久投手(35)が、勝負勘を養う“ギャンブルトレ”を敢行した。5日、埼玉県内のグラウンドで自主トレを公開。ランニングやウエートトレで汗を流したが「本番」はその後だった。私服に着替えると、向かった先は川口オートレース。オフに入り眠っていた闘争心に火を付けた。

 エンジンの爆音を聞き、オイルのにおいをかぐと、まなざしはマウンド上同様に鋭くなった。この日は元タレントの森且行も出場した、ニューイヤーカップ優勝戦。コンマ数秒を競う勝負の世界に触れ、グラブ…いや、車券を持つ手にも力が入った。「本当に奥が深いんだよね」。オート歴は10年を数え、親交のあるオートレーサーも多い。…が、勝負は時の運。握りしめた車券は、ゴミ箱へひらひらと舞った。

 「優勝戦」の文字に、心は揺さぶられた。昨季は入団以来初めて最下位を経験。7年続いていた50試合以上登板も途切れたが、球界で5人しか達成していない通算200セーブへあと34セーブに迫っている。「あと何年出来るかもわからない。優勝したいね。優勝を狙える位置で、本気になって勝負がしたい」。午(うま)年の年男は、頂点だけを見つめている。

 ちなみにレースは、2度のフライングなどもあって中波乱となった。武田久は、ペナントレースに重ね合わせていた。「戦力だけ見ればソフトバンクがすごい。でもお金をかけて補強して、そこが勝ったっていうのじゃ悔しいよね。ウチは最下位なんだから、上を見てやるだけ」。“穴を開ける”準備を、整えている。【本間翼】