母校で「ゼッコーチョー」宣言!

 阪神新井貴浩内野手(36)が5日、広島市内の広島工で本格的に始動した。母校での自主トレはプロ16年目で初めて。昨季はリハビリで苦しんだ右肩の状態も良好で「絶好調!」と声をはずませた。プロを目指した高校時代を振り返って原点回帰。今季は新外国人のマウロ・ゴメス内野手(29=ナショナルズ)とのポジション争いが待ち構えるが、ふるさとで心を奮わせてシーズンに臨む。

 今年、プロ16年目の大勝負に挑む新井がスタート地点に定めたのは「母校」だった。バックネット裏の「野球道」の石碑、体を鍛えた「野球部

 ウエイトトレーニング道場」の機器、隣でラグビー部が練習する光景…。あのときと何も変わっていない。自然と熱い気持ちになれる場所だ。

 新井

 もう1回、原点というか、自分が育った場所でスタートさせて、今年1年、ハツラツと野球をやりたい。久しぶりにここで体を動かして、高校時代に苦しかったことばかり思い出して。初心に戻る、じゃないけどね。懐かしいね。

 機敏な動きが順調な調整を物語る。スピード感のあるダッシュを繰り返した。屋内練習場ではティー打撃を行い、力強いスイングを披露した。何より光ったのは右肩の状態だ。「キャッチボール、良かったでしょう。結構、球の力、いっていたでしょう」と逆質問。滑らかな口調の通り、キャッチボールでは60メートル近くまで投げ、塁間では矢のような強い軌道のスローイングを見せた。準備は万端だ。

 新井

 コンディションは絶好調!

 肩も万全です。早く野球をしたい。キャンプが待ち遠しい。去年のこの時期と大違い。投げていて楽しい。腕も思い切り振れるからね。

 昨年同時期は、長年苦しんできた右肩痛のリハビリで、まともに投げることすらできなかった。今年は早くも全開。DeNA中畑監督のお株を奪う「ゼッコーチョー宣言」まで飛び出した。今季は新外国人ゴメスと一塁の定位置を争う。ベテランの特権はなく、置かれた立場も痛感している。右肩の状態は良好で「基本はファーストでしょう。でも、シーズンは長いし、何があるか分からない」と話し、三塁守備にもつける状態に仕上げる考えだ。

 チーム最年長の37歳でシーズンに臨み、真価の問われる1年だが、悲愴(ひそう)感はまるでない。「最年長?

 ピンと来ない。まだまだ若いと思っている」。歯を食いしばってバットを振り、白球を追った故郷での始動。ゴール地点もくっきりと見えている。「何かタイトルをとれればいい。打点王でももう1回…。本塁打もいい」。甲子園のお立ち台で新井が「絶好調!」と叫ぶほど、覇権奪回は現実味を帯びる。【酒井俊作】

 ◆広島工

 1897年(明30)に広島県職工学校として創立。1968年から現校名。野球部の部員数は77人。甲子園出場は春5度、夏5度。主なOBに新井のほか元ヤクルト高津氏、広島中東、日本ハム宇佐美、Jリーグ横浜前監督の木村和司氏ら。所在地は広島市南区出汐2丁目4の75。<新井貴の阪神移籍後の新年第一声>

 ◆08年1月1日

 広島市内のジムで金本らとともに始動。「泥だらけになってボールに食らいついていく姿を見てほしい」。FA移籍する阪神ファンにアピール。

 ◆09年1月1日

 前年同様に金本らと広島市内で始動。真弓新監督の5番での起用構想を受け「中軸が一つになって初めて相乗効果、プラスアルファが出てくる」。

 ◆10年1月1日

 金本のほか野原祐、上本らと広島市内で初トレ。「優勝と日本一。それしかない。1度も優勝したことがないし、ビールかけがしたいですよ」。

 ◆11年1月4日

 大阪・豊中市内のホテルで和田打撃コーチ、鳥谷とトークショー。同月中旬の護摩行を前に「1年間戦っていくための、精神的なものを鍛えたい」。

 ◆12年1月5日

 広島市内のジムで金本との合同トレを公開。金本の「本塁打数で新井に勝ちたい」との発言に「僕も絶対に勝ちたい」と受けて立った。同年9本塁打を放ち、6本の金本を上回った。

 ◆13年1月11日

 広島市内でのトレーニングを打ち上げ。右肩痛の克服に向け「バッティングのメドは立っている。投げることを継続的にやっていきたい」。