ドラ1捕手の逆襲宣言だ。ソフトバンク山下斐紹捕手(21)が12日、福岡・西戸崎で自主トレを再開。昨年大みそかに、東京・新宿で兄貴将さん(24)がボーカルを務めるインディーズバンド「シュガーレスインファント」のライブを初鑑賞したと明かした。

 「兄のバンドにはたくさんお客さんが入っていてすごかった。自分も1軍で活躍しないとお客さんに喜んでもらえない。開幕スタメン、狙ってます」。メジャーデビューを目指している兄から刺激を受け、モチベーションを高めた。

 年末年始は千葉に帰省。母校・習志野高の小林監督が巨人阿部の父と知り合いというルートを生かし、「慎之助打法」のヒントも入手した。自らの左膝上を指さして「阿部さんは右足を上げたときに、ここに意識を置くらしい。自分は漠然と左足に体重を乗せればいいと思っていた。試してみたい」。鋭い回転で打つイメージを描いた。

 正捕手争いは激戦区だ。FAで鶴岡が加入。細川、高谷ら実績あるベテランもいる。昨年1軍デビューした山下は現時点で“大穴”の位置づけだが、得意の打撃でアピールしたい。「オープン戦で打率3割打って、シーズンでも3割が目標。僕はキャンプインの2月1日から勝負です」。

 初詣の際にひいたおみくじは、兄弟とも「大吉」だった。今年は打席の登場曲に、兄のバンドの曲を使うことを考えている。「後戻りできないという内容の歌詞。格好良かった」。野球を始めたきっかけでもある兄のためにも、4年目の飛躍を誓った。【大池和幸】