「バルさん」で天敵退治だ。オリックスから移籍したDeNAアーロム・バルディリス内野手(31)が29日、成田空港着の航空機で来日。中畑清監督(60)が愛称を“バルさん”に決めたことを伝え聞くと「もちろんかまわないよ。今までもいろんなニックネームで呼ばれていたから」と、笑顔でOKサインを出した。

 長い片仮名が苦手の中畑監督が、思案の末にたどり着いた呼び名だが、これが殺虫剤のブランド名と同じと知ると、「オウ!?」と苦笑い。「闘志むき出しで勝利に貪欲にいきたいからね。チームに貢献して、他球団を倒していければいいと思ってる」と、害虫ならぬ、外敵一掃に向けて意気込んだ。

 バルさんは“天敵駆除”にも効果がありそうだ。球団発足2年間で計7勝も献上した広島前田健。チーム対戦打率は昨季が2割1分1厘、12年も1割8分3厘と抑え込まれてきた。しかし、この憎き相手をバルディリスは打ち込んでいる。昨年は対戦がなかったものの、12年は4打数3安打の打率7割5分。広島には横浜時代から6年連続で負け越しており、チームとしても天敵。雪辱にはマエケン攻略が不可欠なだけに、特効薬として期待がかかる。

 目標は個人成績でも、クライマックスシリーズ進出でもなく、優勝と断言した。「そのためにベイスターズに来たんだ。毎日精いっぱい努力して、毎試合勝つつもりでやっていきたい」。打順は主砲ブランコの後の5番。走者だけでなく、ライバル球団も一掃する抜群の効き目を発揮するつもりだ。【佐竹実】