平成の3冠王が究極の感覚を取り戻しつつある。ソフトバンク松中信彦内野手(40)が15日、宮崎キャンプの紅白戦に4番・指名打者でフル出場。2試合連続となる二塁打を放った。変化球を待ちながら直球を右翼線へ返す技ありの一打。背水の40歳が、開幕1軍、レギュラー奪回を猛アピールした。

 追い込まれた松中は大場のフォークボールを待っていた。6回2死一塁、2ボール2ストライク。裏をかいて内角へ投げ込んだ大場の138キロ直球にクルッと腰が回転し、打球はライナーで右翼線を抜ける適時二塁打となった。

 松中

 変化球を待っていた。究極を言えば変化球を待って直球が打てるかどうかということ。それができているのは悪くない。ここ近年なかなかなかったような感覚。

 充実感をにじませながら、独特の感覚を説明。元3冠王のトークにもキレが戻ってきた。藤本打撃コーチは「もともと内角打ちはうまいが、体があれだけ反応しているのは調子がいいということ」と体のキレの良さをほめた。これで2戦連続の二塁打。秋山監督も「いい形でね。状態いいよ」と高評価だ。

 昨年は交流戦優勝セレモニーを無断欠席し、懲罰2軍降格のままシーズンを終えた。12月の契約更改の席では大幅減の3500万円プラス出来高払い(金額は推定)でサインし「ファンのみなさんに申しわけなかった」と自らの行動を謝罪した。

 覚悟の今シーズンに向け、昨年11月からケビン山崎トレーナーと契約。体を絞り上げた。1月のグアム自主トレでは今までの3倍打ち込んだ。例年はキャンプ中旬から調子を上げる。だが、18年目の大ベテランが、今年はフルスイングを重ねて2月1日に状態を最高潮に仕上げてきた。

 ケビン氏は「野球は技術のスポーツ。動ける体になればいい。年齢は関係ない。李大浩を慌てさせる存在になってほしいね」と話していた。この日の全盛期のような内角打ちが続けば、背番号「3」が再び輝きを増してくる。【石橋隆雄】

 ◆松中の自主トレ

 昨秋から体重96キロを維持しながら体脂肪率を22%から16%に落とした。1月5日からグアムに渡り、27日に帰国するまで体力強化、さらにフリー打撃も敢行。「打つしかない。そこしか出るところはない」と一塁守備にこだわらずバット1本、指名打者で勝負することを宣言した。