<オープン戦:楽天12-6ヤクルト>◇15日◇静岡

 楽天の開幕投手争いが混沌(こんとん)としてきた。昨季15勝の則本昂大投手(23)がヤクルト戦に先発したが、5回9安打で6失点を喫した。本命候補が打ち込まれたことで、12イニング連続無失点を続けるドラフト1位の松井裕樹投手(18=桐光学園)に、安定感のある美馬学投手(27)を加えた三つどもえの様相を呈している。すでに他の11球団はほぼ確定的で、楽天の開幕投手争いが注目される。

 球団記録を更新するオープン戦9連勝を果たしても、星野監督の表情は複雑だった。「ノーガードの打ち合いだったな」。先発則本が5回6失点と打ち込まれた。昨季15勝を挙げ、開幕投手の本命だけに、この試合でも好投すれば、すんなり開幕投手に決まった可能性もあったかもしれない。だが、球威、制球とも甘かった。則本本人も「今日に関しては内容が悪すぎます」と潔く受け入れるしかなかった。

 星野監督は「1年間、完璧な投球なんてできない。じゃなきゃ、監督なんてやってられないよ」と、この1試合だけで評価を変えることはしなかった。ただ、開幕投手の話題になると別だ。「(開幕投手の)査定は査定。点を取られていないヤツがいるから」と含み笑いを見せた。

 星野監督が口にしたのは、ドラフト1位の松井裕のことだ。13日オリックス戦で5回無失点に抑え、12イニング連続無失点中。開幕投手レースで、本命則本を猛追する。さらに、美馬も安定感のある投球を見せている。誰に開幕を託すか。迷える胸中を明かした。

 星野監督

 (松井裕で)思い切ったことをやりたいし、(則本で)2年連続開幕投手もやりたいし、ダークホースの“美しい馬”もおるし。本当に決めてないんだ。俺はシャミは弾かない。弾くのはギターだけ。

 そう言って、開幕投手は未定を強調した。「あみだで決めるか」と冗談まで飛び出した。

 もっとも、頭を悩ます現状をプラスにも捉えている。絶対エースだった田中が抜けた今季を「ずばぬけたヤツがいない。でも、中の下から、中の中、中の上になってきている。みんな良い仕上がりなんだ」と言った。誰を選ぶか悩みが深いのは、競争が生まれている証拠。連覇に向けた、生みの苦しみにする。【古川真弥】

 ◆3投手の今後の登板予定

 今日16日ヤクルト戦は美馬が先発。それ以降は、則本、松井裕、美馬とも未定だが、21日からの中日3連戦でオープン戦最終登板の見込み。順当にいけば、21日の初戦に先発する投手が、そのまま中6日で28日の開幕戦(西武戦)に先発する可能性が高い。