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右足の故障で出遅れていた阪神マウロ・ゴメス内野手(29=ナショナルズ3A)が、やっとベールを脱いだ。教育リーグ中日戦(ナゴヤ)に「3番DH」で先発出場。初回にいきなり、中日岩田から中前打を放った。キャンプ中に2度実戦をドタキャンし、ようやく迎えたお披露目の場。「初実戦・初回・初打席・初球」の初ずくめで結果を出し、開幕1軍も見えた!?
気付けば日付は3月15日。開幕まで2週間を切った。2度の初実戦をドタキャンし、本当に大丈夫なのか…と不安視する周囲の雑音はピークに達した。迎えた「三度目の正直」。見ておけよ!
と言わんばかりに半袖を身にまとい、ゴメスが気合十分で打席に立った。
初回1死一塁。中日岩田が投じた初球、真ん中寄りの132キロ直球にいきなり反応した。「積極的なバッティングを心がけた」という打球は鋭いピッチャー返しで中前に転がった。球場中の視線が集まり、張り詰めた空気が一瞬で「おお~」という声に変わった。塁上では風岡コーチとグータッチで初安打を喜んだ。
3回の2打席目は、3球続けての内角球を逃げることなく見極めた。188センチ、104キロの巨体通りのどっしりとした構え。ユニホームをかすめる死球を左脇腹に受けても、動じることなく平然と一塁に歩いた。そのゴメスの姿に中日岩田は「印象はあんまりわからないけれど、威圧感はあった」と長距離砲のオーラを感じ取った。第3打席は打ち損じて中飛に倒れ、この日は2打数1安打1死球でお役御免となった。
「初打席ヒットという結果には満足している。3カ月ぶりのゲームだったけれど、思っていたよりボールが見えていた」
デビュー戦を笑顔で振り返ったが、実は見えない敵と戦っている。慣れない日本での生活に加え、9日に鳴尾浜で屋外フリー打撃を行った際には、鼻を気にするしぐさを繰り返した。日々行動を共にするオマリー打撃コーチ補佐は「今日もチョットダケネ」と花粉症に悩んでいることを明かした。周囲の視線に、花粉症-。ダブルのもやもやを吹き飛ばす一撃に、ネット裏の中村GMも「(投手が制球を)間違えたら(柵越えまで)行くぞという雰囲気があった。思ったより急激にペースが上がっている」と目を細めた。
今日16日は同カードで一塁の守備につき、問題が無ければ明日17日から1軍への合流を予定している。「(明日は)守備に慣れていきたい。ゲームが増えるにつれて(打撃も)目も慣れていくでしょう」。何度も組み替えた開幕への道。お騒がせなドミニカンがようやく1歩を踏み出した。【松本航】
◆三度目の正直
ゴメスはこれまで2度、実戦デビューを回避していた。宜野座キャンプ中の2月20日は体調不良のため紅白戦を欠場。同23日はオープン戦中日戦(北谷)に出場するため球場入りしながら練習途中で右足の張りを訴え、ドタキャンした。3月5日に大阪府内の病院で右足の検査を受け、異常なしの診断。リハビリのペースをあげ、12日は甲子園のフリー打撃で4発。14日はシート打撃で小嶋から柵越えを放ち、ようやくこの日実戦にこぎつけた。



