ソフトバンクの本拠地ヤフオクドームの名物「巨大ハリーホーク」が今季から2倍以上にスケールアップすることが20日、分かった。ホークス本塁打時にセンターに出現するバルーン人形を高さ6メートルから13メートルへと変身させ、演出もリニューアル。26日にドームで最終テストを行う。28日ロッテとの開幕戦で超巨大ハリーをデビューさせるのは、4本塁打でオープン戦キングの柳田か新4番李大浩か。強力打線に注目だ。

 ホームランの快音を聞きむくむくと起き上がるあの巨大ハリーホークが、4階建てビルに相当する高さ13メートルに“成長”する。後方にあるホークスビジョンに頭の部分がかぶり、よりビジョンと連動した演出が可能になる。球団の井上広報室長は「もっと華やかな演出にしようと試験中です」と説明。派手なホームラン演出で来場者に楽しんでもらおうと、チームだけでなく舞台装置にも“補強”資金をつぎ込んだ。

 現役時代に868本塁打を放った王貞治氏が会長を務める球団だけに、毎年、長距離砲を打てる外国人選手を求めてきた。今オフには韓国で3冠王2度の李大浩を獲得。王会長は「一振りで試合を変えられる。野球の華ですよ」と何十年もその魅力を語ってきた。エンターテインメント産業のプロ野球で、営業サイドとしても魅力的な演出を考えるのは自然な流れだった。

 現在、新型の巨大ハリーホークは都内某所で、しぼんだ状態から送風機と仕掛けを使って膨らますテストを行っている。高さ6メートルの先代のバルーンは約1秒半で展開したが、巨大化によってやや時間がかかるようになったという。26日にヤフオクドームで行う最終テストをクリアすれば28日ロッテとの開幕戦でお披露目される。もちろん、飛び出すきっかけはホークス選手の本塁打だ。

 さらには外野フェンス最上部にチューブ型のLEDを設置することも検討している。鮮やかな光りが右翼から左翼に走るなど、視覚的な演出をアシストするという。

 大型補強で注目されるチームはオープン戦で37年ぶり11連勝を飾り、トップを快走。オープン戦ながらマジック2”で、今日21日の広島戦に勝てば優勝が決まる可能性もある。キング4本塁打の柳田を先頭に、チーム13本塁打も12球団でダントツだ。シーズン開幕からは巨大ハリーホークが現れるほど、勝利確率が高まる。【押谷謙爾】