西武でインフルエンザ・ウイルスのまん延が止まらない…。26日、ドラフト1位の森友哉捕手(18=大阪桐蔭)がインフルエンザB型と診断されたと発表された。2軍の選手、スタッフを含め、感染者は13人にふくれあがった。開幕目前だけに球団は拡大防止策に頭を抱えている。

 西武第2球場エリアが、緊急事態に陥っている。隣接しているのは、1軍が開幕に向けて最終調整中の西武ドーム。連日、次々と発表されるインフルエンザ感染者。ここまで、2軍の選手、スタッフを含め13人の感染が明らかになった。飯田専務は「他にも発熱など体調不良を訴えている選手がいる。2軍戦の試合ができるか対応を取る必要がある」と神妙な面持ちで説明した。

 見えない“敵”との戦いだけに、難航を極めている。この日、イースタン・リーグ、ヤクルト戦では先発ローテーション入りしている野上亮磨投手(26)が調整登板。攻撃中はベンチには入らず、ブルペン脇で待機した。6回2/3を投げ4失点だった野上は「ブルペン待機は初めて。ハイタッチもできない」と困惑。また1軍から出場した上本、大崎、斉藤も同様に“隔離ベンチ”を使い、2軍選手との接触を避けた。

 1、2軍の練習施設間の距離は12球団で最も近く、同じ敷地内の徒歩数分圏内にある。練習場だけでなく選手寮も隣接しており、球団関係者は「寮生以外の寮の出入りは規制している」とし、報道陣に対しても「2軍選手との接触、寮付近への立ち入りを規制させてほしい」と異例の取材規制を敷いた。

 最大の懸念は明日28日に開幕戦を控える1軍への影響だ。今日27日はイースタン・リーグ、ヤクルト戦で4月3日のロッテ戦で先発予定の岡本洋介投手(28)が先発し、正捕手の炭谷銀仁朗捕手(26)がマスクをかぶる。炭谷は「(予防用の)マスクしながら試合をするしかないですね」と苦笑い。注目のドラ1にまで感染が確認され、さらなる拡大が心配される。【為田聡史】