<巨人3-5阪神>◇29日◇東京ドーム

 阪神の新守護神、呉昇桓(オ・スンファン)投手(31)が来日初登板で初セーブを挙げた。2点リードの9回にデビュー。打者4人で32球を要すなど半端な道のりではなかったが、和田阪神に14年初勝利をもたらした。

 額には汗がにじみ、舌を出して苦笑いまで浮かべた。受け取ったウイニングボールを大事にしまうと、ようやく引き締まった表情に戻った。「気持ちよくはないです。チームが初めて1勝できたことが大事です。緊張感というよりは、チームが勝つことしか考えていなかった」。

 敵地での巨人戦、簡単にはいかない。中前打と暴投が絡んで2死三塁のピンチ。続く8番橋本には10球ファウルを打たれた。最速153キロの石直球でも空振りが奪えない。結局中飛まで15球かかった。投じた32球のうち、ファウルは20球を数えた。「球数は全然大丈夫。多い日もあれば、少ない日もあります。楽に抑えられたらいいけど、今日は初登板なので」と汗をぬぐった。

 時間と球数はかかったが、ゼロに抑えたことに意味がある。昨季固定できず、苦しんだ9回のポジションだ。守護神の哲学も「試合をそのまま終わらせる」。有言実行の初登板だった。

 推定年俸2億5000万円。韓国プロ野球最多277セーブの実績を誇る右腕にとっても、日本で初のウイニングボールは重みが違う。「両親にあげようと思います。今までの記念球はどこにいったかも分からない」。呉昇桓にもチームにも大きな1勝になった。【池本泰尚】