<巨人3-5阪神>◇29日◇東京ドーム
強く、美しい放物線が巨人を食い止めた。1点リードの5回1死二塁、村田のヒットが中前に弾んだ。俊足片岡が三塁を蹴る。だれもが同点を覚悟した次の瞬間、猛然とチャージした中堅大和外野手(26)が右腕を一閃(いっせん)した。白球は寸分たがわず藤井のミットへ。タッチアウト。片岡も、巨人ベンチも、あぜんとしたビッグプレーだった。
「前の打席で同じような当たりを刺せなかった。だからポジションを前にしていた。人工芝でボールの勢いは止まるし、この球場は頭を越されればホームランですから」
初回、同じ状況から村田の中前打で片岡に生還された。だからこそ5回、再び村田を迎えた時、大和は決断した。守備位置を前へ。4番打者の場面、背後にスペースを背負う恐怖心はあるだろう。ただ、走者との兼ね合い、球場の特性、新しくなった人工芝の性質、すべてを考慮した上での勇気ある前進だった。
打撃では2試合連続の猛打賞。開幕戦からこの日の2打席目まで5打数連続安打を記録し、打率は8割5分7厘!
大和のバットは“打ち出の小づち”と化している。オフに合同自主トレを行った西岡からタイミングの取り方を教わった。オープンスタンスでボールを見極め、ボールに逆らわずバットを内側から出していく。「これまでやってきたことができている。正直(打席に入るのが)楽しいです。今日勝ったのは、むちゃくちゃ大きいです」。
ゴールデングラブ級の守備力と、ひと皮むけた打撃は和田阪神の大きな戦力だ。【鈴木忠平】
▼大和が開幕戦28日巨人戦(東京ドーム)第1打席から29日同カード第2打席まで、5打数連続安打(1犠打挟む)。阪神選手のシーズン初打席からでは、松永浩美が93年4月10日中日戦(甲子園)から同11日同カード第1打席まで、6打数(6打席)連続安打して以来。なお連続打数安打のプロ野球最長は、91年レイノルズ(大洋)と03年高橋由伸(巨人)の11打数。



