<巨人3-5阪神>◇29日◇東京ドーム

 これぞ4番の働きだ。阪神の新外国人マウロ・ゴメス内野手(29)が2打点で初白星をもたらした。

 「もちろんもう1点取りたかった。とにかく前に飛ばそうと思った」

 4時間21分の長いシーソーゲームにケリをつけた。9回、1点を勝ち越し1死二、三塁。ダメ押しが欲しい場面で打席が巡ってきた。マシソンの5球目。高めから真ん中に落ちてきた130キロのスライダーを仕留めた。三遊間を破る適時打を放ち、この日初めて2点の差がついた。代走が送られベンチに戻ると、オーバーアクションで仲間とハイタッチ。最後には勝ち越し劇のきっかけを作った今成と熱い抱擁を交わした。前夜は2打点が勝利につながらなかった。1日我慢した分、喜びが爆発した。

 加えて誰よりも勝利の報告をしたい相手がいる。海の向こうに残してきた愛する夫人だ。「毎日(インターネットで)テレビ電話をしているよ。毎日試合前に頑張ってって言われる」。試合後、笑顔を浮かべながら毎日の日課を明かした。1月に生まれたばかりの長女と妻を残し、新米パパは日本で頑張っている。「今日初めて勝ったよ」-。その報告から始まる愛の電話が、さらなる活力となるはずだ。

 懸念された変化球もきっちりと見逃す場面が増えてきた。初回にはレフトへ犠牲フライを打ち上げた。和田監督も「みんながチャンスを回そうとしているし、ちゃんと返してくれる信頼関係ができている」と評価。チームが求めていた打点を稼げる4番が誕生の予感だ。

 「これからもどんどん打席に立って、どんどん慣れていきたい」。2戦で4打点にも満足はない。おごることなく、4番の打撃を追求する。【松本航】

 ▼ゴメスが開幕戦に続き2打点。阪神の日本球界1年目外国人では、ブリーデンが76年4月4日広島戦(広島)同7日中日戦(ナゴヤ)で各1打点して以来、38年ぶり。開幕戦から2試合連続マルチ打点は、2年目以降も含め虎助っ人では初めてとなった。