中日の新4番平田良介外野手(26)が後輩打ちで新監督に2勝目をプレゼントする。今日1日からの阪神3連戦で初戦に対戦するのは大阪桐蔭の7学年下となる後輩藤浪だ。開幕3連戦で12打数5安打の若き主砲は、かわいい後輩にも容赦なし。初勝利の開幕3戦目でスタメンを外れた谷繁兼任監督も先発マスクをかぶって、いざ虎狩りだ。

 セ界一若い4番が、藤浪の名前を聞いて舌なめずりした。ナゴヤドームで行われた若手中心の指名練習。平田は谷繁兼任監督と談笑するなどリラックスムードだった。打撃ケージでは、トレードマークとなったオレンジ色のバットを気持ちよさそうに振り抜いた。マウンドの上にイメージしている投手は、後輩の長身右腕だ。

 「基本は真っすぐを待って変化球に対応したいですね」

 藤浪は昨季3試合で0勝1敗、防御率1・35と抑えられた難敵だ。平田自身も8打数2安打と“大好物”ではない。ただ初対戦となった昨年8月11日には5回1死からカーブを左前に運びチーム初安打。嫌な流れを断ち切った。先輩だからというだけでなく、4番として相手先発は打ち崩さないといけない。

 同門対決は燃える。平田は一昨年、大阪桐蔭OBの阪神岩田に14打数5安打、2本塁打、打率3割5分7厘の成績を残している。昨年、西岡と藤浪が阪神に加入した際は「これまで(大阪桐蔭OBは)パ・リーグに多かったので、うれしい」と喜んでいた。この日は巨人戦で救急搬送された西岡を「心配ですね」としきりに気にしていた。やはり母校の結びつきは強い。

 言うまでもなく、大阪は地元。関西を本拠地とするタテジマをみると気合が入る。昨季は阪神戦21試合で70打数25安打、2本塁打、打率3割5分7厘。竜打線の中でも屈指の虎キラーなのだ。阪神のホーム開幕戦、しかも先発藤浪となれば、阪神ファンの盛り上がりは容易に想像できる。平田は「去年はいいイメージで打ってるんで、今年も打ちたい。お客さんがいっぱい入ると、やっぱり燃えます」とむしろ完全アウェーを歓迎。後輩を打って、虎党を沈黙させる。【桝井聡】

 ◆大阪桐蔭OB

 プロ野球界では近年、出身者の活躍が目立つ。阪神岩田、西武中村は同学年。1学年下に阪神西岡がいる。以降も中日平田、日本ハム中田、西武浅村、阪神藤浪とチームの中心選手が多い。ルーキーには西武森友哉捕手(18)がおり、スラッガータイプの打者を数多く輩出している。今中慎二前中日投手コーチもOB。