日本ハム大谷翔平投手(19)が、相手先発に松井裕樹投手(18)が見込まれる明日9日の楽天戦(札幌ドーム)に、野手での先発を外れる可能性が出てきた。栗山英樹監督(52)が示唆したもので、大谷の登板がないカードで通常なら打者起用だが、松井裕の決め球スライダー対策には右打者を並べることが効果的と判断した。また、投手・大谷の次回登板は12日西武戦(札幌ドーム)の見込み。花巻東の先輩菊池と、初めて投げ合うことになりそうだ。

 大物ルーキー攻略のため、あえて大谷は外される。栗山監督は明日9日に実現濃厚な松井裕との初対決へ、大胆なプランを温めていた。「(大谷のスタメンは)最初(8日)だけだと思う。後の左2枚(松井裕、森)には、考えていない」。規定打席未満だが、打率3割6分4厘と最も好調な大谷抜きの打線で臨む考えを明かした。

 今日8日からの楽天3連戦は投手として登板予定がなく、通常なら野手としてフル活用される。今季は相手投手の右左に関係なく打席に立ってきたが、対松井裕で先発起用されない理由は、決め球対策にある。

 栗山監督

 左打者は、きついと思う。あのスライダーは、左の方が打っているという情報もあるけど、オレが見た感じでは左より右の方がいいと思う。

 指揮官は映像で松井裕のプロ初登板をチェックした。投球内容や対戦したオリックスの各打者の反応を分析。攻略の鍵は右打者という結論に至った。「ボールになる球を振らされているんだよね。そこの見極めが大事」。左打ちの糸井や平野恵がストライクゾーンから外角へ逃げていくスライダーに苦戦していた。同じ左打者の大谷も例外ではないとみる。右打者を多く打線に組み込み、注目新人を打ち崩そうという狙いだ。

 大谷はこの日、札幌市内の寮で静養した。現在チームは4連敗中。ファン注目の初対決は、お預けとなることが濃厚となったが、勢いを取り戻すことが先決。大谷もチームも最善の手を尽くして、昨季の日本一チームと戦う。

 ◆打者大谷の左右投手別打率

 打者大谷は昨年から左投手に対し、通算20打数4安打で打率2割。対右投手は通算191打数49安打で打率2割5分7厘。昨季の日本ハム打線は右投手に3667打数、左投手に1095打数という割合で対戦したが、大谷は左投手との対戦が極端に少ない。