<ロッテ1-6ソフトバンク>◇19日◇QVCマリン

 ソフトバンク中田賢一投手(31)がロッテ相手に8回3安打1失点で、ハーラートップの4勝目を挙げた。中日から移籍後、初登板から4戦4勝とした。FA移籍1年目では過去最高の3戦3勝で並んでいた08年西武の石井一久(ヤクルトから移籍)を上回った。右手指先から出血しながら力投。サタデー賢一が白星を量産する。

 史上初の“快挙”は三塁側ベンチで迎えた。2番手五十嵐が途中出場の根元を二ゴロに打ち取るのを見届け、中田がソフトバンクで早くも4個目のウイニングボールを手にした。

 「1人1人集中して投げられた。先頭打者を出したりもしたがうまく切り替えできた。(4連勝は)野手の皆さんが打って守ってくれているおかげです」。同学年の内川の2打席連発など援護に感謝した。4度のイニングで先頭打者を出しながら失点は犠飛だけ。走者を置いてから1安打も許さなかった。

 快投の裏にアクシデントが発生していた。5回、吉田にスライダーを投じた際に右手親指の先が裂けて出血。「それから少し球が浮き始めた」。暴れる球を制御しながら、8回は無死から連続四球を与えた。10年8月以来の完投勝利はお預けとなったが、中日時代に2度とも先発でKOを食らったQVCマリンで初勝利。鬼門を打ち破った。

 土曜日のデーゲームに4連勝。昨年まで7年連続でナイターより防御率が悪かったが、こちらの苦手も拭った。チームが日本一になった11年は杉内(現巨人)がほぼ1年間、土曜日のローテを守った。中田も交流戦まで残り4週は土曜日先発が続く可能性が高く、白星街道なら「サタデー賢一」の称号も得られそうだ。

 「いいボールは増えてきている。完投したい気持ちはありましたけどね。指は大丈夫です」。逃げ切り失敗による痛恨ドローから一夜明け、頼れる右腕がスカッと6連勝に導いた。【大池和幸】