<楽天2-1西武>◇22日◇コボスタ宮城
攻めの気持ちでウイニングボールをつかみ取った。楽天のドラフト5位、西宮悠介投手(22)がプロ初勝利を挙げた。延長12回2死一、三塁で登板。西武秋山を空振り三振に仕留め、アンドリュー・ジョーンズ外野手(37)のサヨナラ弾につなげた。チーム新人の白星一番乗りで、今日23日に先発する松井裕樹投手(18)に、最高の景気付けとなった。
しびれる場面でも、西宮は腕を振ることだけに集中した。1-1の延長12回2死一、三塁。フルカウントから目いっぱい振り切ってのスライダーで、西武秋山のバットに空を切らせた。「とにかく腕を振って強い球を投げようと。攻めるしかないと思ってました」と、力強く振り返った。
準備は出来ていた。ルーキーながら、この日で登板数はチーム最多の11。自分の役割はしっかり分かっている。「次の打者が右。自分のいくところはここしかない。この打者で絶対終わらせるという強い気持ちでした」。春季キャンプは2軍スタートで、オープン戦中に1軍に昇格。中継ぎ左腕として結果を残し続け、信頼を勝ち取った。その期待を裏切ることなく、最高の結果で応えてみせた。
目標への“予行演習”でもあった。18日、牧田とともに仙台市内の小学校を訪問。「自分づくり夢教室」と題し、子供たちへプロでの夢を明かした。「今は中継ぎをやらせてもらっていますが、ゆくゆくは抑えをやりたい」。
そのためにグラウンド外での努力も欠かさない。蓄積する疲労を少しでも和らげるため、朝晩30分ずつの半身浴とストレッチを続けている。目指す場所があるからこそ、「記念の1勝は素直に喜びたい。でも1年通してやり切って本当によかったと思えると思う」と、引き締めることも忘れなかった。
今日23日は、松井裕が初勝利を目指しての先発マウンドに上がる。「9回を投げきってほしいのが一番ですけど、つないでくれたバトンはきっちりつなぎたい」と、期待を込めながらバックアップを誓った。ルーキーとしての注目度では負けても、チームの勝利に貢献したい気持ちは負けない。両親にプレゼントするというウイニングボールを握り締めた表情は、力強さに満ちていた。【佐竹実】



