<ソフトバンク4-2阪神>◇23日◇ヤフオクドーム
これぞ4番の一撃だ。ソフトバンク李大浩内野手(31)が逆転の6号3ランを放った。6回。1点を返しなおも無死一、二塁でバックスクリーンへズドン。得点圏打率は12球団の主力外国人で“最低”ながら、ここ一番の集中力を光らせた。広島に続いて阪神も倒し、本拠地で10連勝、交流戦も6年ぶりの開幕3連勝と連覇へ快調だ。
目の前で内川が負傷交代した。右臀部(でんぶ)痛のまま全力疾走で併殺を逃れた代償だった。顔をゆがめる内川を見て、李大浩の胸が痛んだ。「開幕からずっと内川が引っ張ってきた。4番として何もできず申し訳ない。けがをして自分の責任を感じた」。6回の第3打席。気持ちはグッと高まった。「勝負だと、自分でも意識しました」。
オリックス時代の昨年もソロを浴びせたメッセンジャーとの一騎打ち。フルカウントから2球ファウルし、8球目だった。低めの直球を完璧にとらえた。ドームの天井を仰ぐ投手を視界の隅に置き、確信を持って駆けだした。「大事な場面で自分の仕事ができた」。決勝の逆転3ランがバックスクリーンへ消えた。
試合前まで得点機では8打席連続で快音なし。規定打席を満たす12球団の外国人選手では最低の得点圏打率1割5分9厘だった。「調子は悪くない。いいリズム、タイミングで入っているが、ミスショットが多いのが悩みだった」。結果で自分を失いはしない。前カードの広島戦から左足を少し上げる形をとり、「いい手応え」が出ていた感覚がピシッとはまった。
阪神の抑えは同じ韓国出身の呉昇桓とあって、客席でハングルの応援ボードが揺れた。李大浩は「2人の韓国人選手がいて盛り上がっている」と感じていた。「呉が出ないのはうちのチームが勝っている、一番いいシナリオ」。自らのバットで逆転ドラマを仕上げ、登板機会を与えなかった。
これで交流戦3連勝。摂津やウルフが離脱し、内川も予断を許さない状況を互いがカバーし合う。「今までは他の野手の方々に引っ張られたがこれからは自分が中心で引っ張っていく」。やや働きの遅れていた主砲はお立ち台で声を張った。【押谷謙爾】



