<DeNA2-1日本ハム>◇26日◇横浜

 交流戦男がチームに7年ぶりの勝ち越しをもたらした。DeNA久保康友投手(33)が日本ハム戦に先発し、7回を3安打1失点。4回以降は内野安打の1本のみに抑える完璧な投球で、交流戦通算20勝目を挙げた。チームの交流戦勝ち越しは07年以来で、3年目の中畑政権では初。今日27日からはリーグ戦再開という慌ただしいスケジュールだが、この勢いを上位浮上のきっかけにする。

 中畑清監督(60)からの祝福に、久保がニッコリ笑った。交流戦20勝目は、移籍後、本拠地初勝利のおまけ付き。お立ち台で「思ったより時間がかかってしまいました」と頭を下げた。それでも、投球内容には文句の付けようがなかった。

 投球術で打者心理を読み切った。同点とされた直後の3回1死三塁。西川にフォークを4球続けて三振に封じ、続く村田はスライダーとフォークのみで一ゴロに打ち取った。「西川は調子が良かったし、振れていた。ボール球を振らせることを考えて、フォークを選択した。調子が悪い中で、どれだけ低めに球を集めるのが勝負だと」。これで勢いに乗り、毎回の8三振を奪った。

 ロッテに在籍したこともあり、パ・リーグ打者の特徴は熟知する。「パの打者はバットの軌道が見える。だから、どこにどの球種を投げれば抑えられるかが分かる」。1発のある中田に対しては、「いつもより足を上げていて、ストレート待ちだった。立ち位置や動きを見て球種を選んだ。足の状態も良くないみたいだから、四球OKのつもりで」と1、2打席目はともに徹底した変化球攻めで、手玉に取った。

 久保の投球が指揮官に初の交流戦勝ち越しをもたらした。中畑監督は「勝ち越すって、初めての経験。いい経験をした」と、貯金の喜びをかみしめた。休む間もなく、今日27日からはリーグ戦が再開される。久保は「(20勝は)どうでもいい。喜びは投げ終わったら終わり。今日何がダメだったかを反省して、次につなげることが大事」と、節目の勝利にも浮かれなかった。【細江純平】