<広島7-10DeNA>◇15日◇マツダスタジアム

 DeNAが冷や汗たっぷりに、2年ぶりの5連勝を決めた。8回までに8点リードの快勝モードが一転、雨で30分の中断後、雲行きが怪しくなった。再開後に大原が4失点。9回、抑えの三上も1失点し、なお1死満塁とピンチを広げ、中畑清監督(60)は5連投の林を投入。広島田中を併殺に仕留め、辛うじて白星を手にした。中畑監督は「頭がクラクラする。5連勝という勝利の余韻はない」と、素直に喜べるはずがなかった。

 前日14日の広島戦では、3度も同点に追いつかれ、両リーグ今季最長の5時間39分の末、引き分けた。この日は18安打を放って12四死球をもらいながら、プロ野球新記録の19残塁と効率が悪かった。中畑監督は「野球はこれだから怖い」と苦笑いだった。

 それでもクリーンアップの爆発力で逃げ切れた。初回の5番後藤の先制打から始まり、4番筒香は3回と7回に本塁打を放った。3番グリエルも3安打で好機を演出。クリーンアップの9安打で押し切った。

 試合前の神頼みも効いた。午前中の散歩で広島城の敷地内にある広島護国神社に立ち寄り、必勝を祈願した。5月20日。楽天との交流戦で遠征していた仙台の青葉城跡でも祈願した。そのときは、交流戦の初戦連敗を7で止めた。

 最下位生活が長かった前半戦だが、5位以上を確定させた。投手陣に課題を残すが、打線は活発。打ち勝つ野球で、中畑政権下で初の6連勝に挑む。【細江純平】

 ▼1試合19残塁のプロ野球新記録=DeNA

 15日の広島14回戦(マツダスタジアム)で記録。これまでの記録は43年阪神、55年巨人、73年阪神、87年近鉄、90年阪神、99年ヤクルトの18。