＜楽天７－１西武＞◇１日◇コボスタ宮城

　若い２人を星野監督が手放しで褒めた。楽天辛島航投手（２３）が７回６安打１失点の好投で７勝目を挙げた。テンポよくコーナーに直球と変化球を投げ分け、無四球で自己最多タイとなる８三振を奪った。先発マスクをかぶった小関翔太捕手（２２）も相手の裏をかく、好リード。打線もつながり、快勝だった。

　試合後の記者会見で星野監督自ら切り出した。「今日は辛島だよ。四球も０。球のキレも直球も良かった。小関もうまくリードしてた」。前日の勝利には怒り心頭だったが、珍しく手放しで褒めた。それほどまでに、スキを見せない投球だった。

　立ち上がりは少しだけ、不安を感じさせた。開始わずか３分で失点。先頭秋山の二塁打から犠打と犠飛で先制を許す。わずか５球の出来事だった。しかし「試合が始まってすぐにやられたんで、それはそれで切り替えるしかなかった」と慌てることはなかった。

　２回以降はリズムに乗った。直球は１４０キロに届かないが、思い切りの良い腕の振りで打者を差し込んだ。スライダーは外角低めに決まり、チェンジアップは打者の手元でストンと落ちた。「リズムが良くなって、狙ったところに投げられる感じでいけた」と思い通りの投球で自己最多タイの８奪三振。無四球と寄せつけなかった。

　捕手小関のリードもさえた。７回１死から失策と連打で満塁とされてから、踏ん張った。迎えるのはこの日、安打を放っている金子侑。外角を中心に攻め、カウント１－２と追い込むと裏をかいた。普段ならば外角へ逃げるチェンジアップでタイミングを外し空振りを狙うが、辛島の球威を見て変えた。「真っすぐが良かったので内角を攻めた。詰まらせられた」と内角に直球を要求し、遊飛に仕留めた。続く秋山は粘られるも、最後は外角低めのスライダーで三振を奪った。

　テンポの良い投球に打線もつながり、１０安打７得点の快勝。星野監督も「（辛島は）これまでぐだぐだ投げて守りが長かった。だから点が取りにくかったけど、リズム良く投げたら点を取ってくれた」と振り返った。勝利の要因は若いバッテリー。夏季限定の緑色ユニホームのようにフレッシュな２人が、勢いをもたらした。【島根純】