巨人が「最高のカード」に臨む。今日2日から1ゲーム差に迫ってきた2位広島との首位攻防戦。長野、前橋、宇都宮と地方開催での3連戦でファンを思う原辰徳監督(56)は「最高のカードになった」と高ぶる戦いを表現した。先週の阪神に続く2週連続の首位攻防戦を制して、3連覇をかけた勝負の9月を突き進む。

 勝負師の血がたぎる舞台が整った。1週間前に2位だった阪神との首位攻防戦を2勝1敗で制したばかり。今度は好調広島が2位に浮上し、2週連続の首位攻防戦となった。9月に地方での3連戦も珍しい日程。その分、普段、巨人の戦いを見る機会が少ないファンに決戦の熱を届けることができる。長野行きの新幹線に乗る直前に原監督は「最高のカードになった。いろんな相手と首位攻防をするな(笑い)。でも首位攻防に絡めるのは幸せなことだ」と言葉に思いを乗せた。

 最高の状態ではない。アンダーソン、高橋由らが戦線離脱。右膝を負傷中の長野も8月22日の中日戦からスタメンに名を連ねていない。今カードの起用も原監督は「当日にならないと分からない。でも無理はさせられない」と慎重だ。

 手駒は整える。左大腿(だいたい)筋の肉離れで離脱していた亀井を今カードから約3週間ぶりに同行させる。登録するかは今日の練習の状態次第だが、復帰となれば交流戦MVPの打棒が1枚、加わる。亀井は「チームの勝利に貢献できるよう、頑張るだけです」と決意を口にした。

 今季45勝28敗1分けと得意のドーム球場ではなく、18勝23敗と苦手な屋外球場で戦う。そんなデータも吹っ飛ばす。初戦の先発を託す杉内も「勝つしかない」と端的に表現した。過去2年の終盤戦は独走優勝。首位の立場で3ゲーム差以内の“首位攻防戦”を9月以降に戦うのは久々だ。最大13ゲーム差を大逆転優勝した08年10月の阪神戦以来となる。広島との決戦の火ぶたが長野で切って落とされる。【広重竜太郎】