<阪神9-3中日>◇19日◇甲子園

 中日は終戦モードの5位後退だ。山井大介投手(36)が今季ワーストの12安打8失点で5回KO。奇跡のCSへ、3連勝で望みをつなぎたかった3位阪神との直接対決初戦で大敗した。開幕から1人ローテを守るチームの勝ち頭が、絶対負けられない1戦でまさか…。今季の阪神戦は全部藤浪との投げ合いで5戦3勝だったのに…。残ったのはあと8試合で6・5ゲーム差という絶望的な数字だった。

 「気負いすぎて空回りしました。いろんな意味を含めてチームに申し訳ありませんでした」。山井は肩を落としてわびた。前日「2・5にするには初戦の投手が全力で投げて、絶対勝ちたい」と必勝を誓っていた気合が空転。1回から制球が定まらず、毎回失点した。勝てばメッセンジャー、久保と並ぶトップ12勝だったが、残り予定は1試合で初タイトルも厳しい状況。「いろんな意味」には、大崩れしながら「最多勝を取らせてあげようと、5回まで投げさせてくれたみんなの期待に応えられなかった」悔しさもにじんだ。谷繁元信兼任監督(43)も「今年一番悪かった」と無念だ。

 あまりにも寂しい秋風の気配。指揮官は「3連勝?

 そういうつもりで戦ったけど、今日はもう終わった。あと2つ取れるように頑張ります」と懸命に前を向いた。2年連続Bクラスは山内一弘監督の85~86年以来28年ぶりの屈辱。最短で明日21日にもその時が訪れる。【松井清員】