西武が2日、田辺徳雄監督代行(48)が来季監督に就任(契約期間は1年)すると発表した。本拠地最終戦となった日本ハム戦後に会見を行った。居郷肇球団社長は「大変厳しい状況の中、チームをまとめてくれた」。最下位に沈む中でも紳士的な態度で指揮を執る姿勢を評価し、最終決断に至ったと説明。田辺新監督も球団からの要請を快諾し、最下位に沈むチームの立て直しを誓った。

 ソフトバンクが劇的勝利でパ・リーグの優勝を決めた直後だった。最下位に沈む西武が来季の新監督を発表した。会見に居郷球団社長と同席した田辺新監督は「状況は厳しいけど逆にやりがいがあるところからの出発。来季は(今季の)借金の分もまとめて返すぐらいの貯金をつくる気持ちで戦いたい」と所信表明。決意に満ちあふれたりりしい表情だった。

 今季は伊原前監督(現アドバイザー)が交流戦期間中の6月4日に成績不振を理由に休養。借金13からの巻き返しを託され、この日まで監督代行として90試合を指揮した。ベテランと若手をバランスよく融合させた選手起用でチームに勢いをもたらした。7月には球団記録を更新する月間5度のサヨナラ勝ちを導くなど、一時は順位を4位に押し上げた。一方、勝負どころでの接戦は力負けし、最下位という状況を突きつけられた。

 ただ、その状況下での戦いぶりが球団の最大評価でもあった。鈴木本部長は当初、潮崎2軍監督らも候補に挙げていたことを認めた上で「田辺が2軍からずっと指導をしてきて(主力は)みんなそこを通っている。それを全面的に出せる人だと思う」と話した。潮崎2軍監督については「時期尚早と判断した。もっと大きな器になってほしい」と期待も込め、来季も2軍監督を任せる意向を示した。

 球団として熟考を重ねた上での最終決定だった。田辺新監督への要請は、この日の試合前。最大7点差をひっくり返した本拠地最終戦を来季に向けた門出の日と位置づけた。会見前のグラウンドで行われたセレモニーでは、「今季は期待を裏切る形になってしまい申し訳ありませんでした。この悔しさを胸にチーム一丸となって頂点を極めるべく、挑戦していきたい」と決意を口にした。7年ぶりの日本一奪回は田辺新監督の手腕に託される。