<パCSファイナルステージ:ソフトバンク5-2日本ハム>◇第4戦◇18日◇ヤフオクドーム

 お祭り男が本領を発揮し、ソフトバンクが日本ハムの勢いをはね返した。選手会長の松田宣浩内野手(31)が3回に2点適時打など、プレーオフ史上最多タイとなる1試合4安打の大活躍。13安打5得点と打線が奮起し連敗を止めた。アドバンテージと合わせて3勝2敗とし、3年ぶりの日本シリーズ進出に王手をかけた。

 松田が初球から思い切り振った。メンドーサの内角ツーシームに詰まったが、ゴロはしぶとく二遊間を抜けた。拍手してガッツポーズ。日本ハムがスクランブル継投に入った直後の3回2死満塁、リードを3点に広げる効果的な2点適時打だった。

 松田

 速い球を待っていた。詰まり気味だったけど、うまくヒットゾーンに飛んでくれた。2戦目の3回も2死満塁でショートライナーで点が取れなくて負けていた。今日こそ打ちたいと思っていた。僕らしい気持ちが出たバッティングだった。昨日(17日)とその前の負けはチームにとって痛かった。流れは向こうと思っていたので。

 負ければ日本一が遠のく重圧と闘った。柳田の先頭打者弾に「体が軽くなった」と感謝し、2回は左中間への二塁打。5、7回も安打を重ねた。チームの元気印は「1本出れば2本、3本といくような性格なので」と笑った。いずれもCS記録の1試合4安打、第3戦の5打席目から5打数連続安打の大当たりだ。

 今CSを、トーナメントを戦う甲子園球児の気持ちで臨んでいる。普段は主に「ガラケー」(折りたたみ式の携帯電話)で通話するが、CSに向けて球場の行き帰りの運転前にはスマートフォンを操作。ダウンロードした関ジャニ∞の「オモイダマ」を聴くためだ。テレビ朝日系「熱闘甲子園」のテーマ曲。「CSは短期決戦。高校野球みたいなもんやからね」。打席でのテーマ曲にも選んでいる。

 優勝を決めた「10・2」決戦でサヨナラ打を生んだ幸運の黒いバットも継続で使用。初戦の前、そのグリップエンドに黒いサインペンで「日本一」と書いた。その目標に前進。今日19日の第5戦、日本ハムは大谷が先発する。ただ松田は「一気に決めたい。いいピッチャーでもチームワークを出せば打てる」と言い切った。今季限りで退任する秋山監督を胴上げするため、チームの先頭を走っていく。【大池和幸】

 ▼松田が4安打を放ち、前日の9回から5打席連続安打。プレーオフ、CSの1試合4安打は12人、13度目のタイ記録となり、同一ステージでの5打数連続は08年2S第4~第5戦後藤(西武)12年1S第2~第3戦大島(中日=5打席連続)に次いで3人目だ。ソフトバンクは前日が14安打で、この日も13安打。プレーオフ、CSで2試合続けて13安打以上を記録したチームは初めてになる。これでソフトバンクはシリーズ進出に王手。過去に2勝2敗から王手は08年西武□○●●○→○、11年中日□○●●○→○と、第5戦も勝ってシリーズ進出を決めたが、ソフトバンクはどうか。