オリックスが、国内FA権の行使を表明した日本ハム大引啓次内野手(30)の獲得に乗り出す方針を固めたことが8日、分かった。すでに調査を進めており、13日の交渉解禁を待ってアタックに乗り出す。大引にはヤクルトが獲得に名乗りを上げているが、ここにきて古巣が参戦を決意。争奪戦の様相を呈してきた。

 大引は浪速から法大を経て06年大学・社会人ドラフト3巡目でオリックスに入団。選手会長を務めていた13年開幕前に、糸井らとの電撃的な大型トレードで日本ハムに移籍した経緯がある。大引サイドからすれば、出された形だが球団幹部は「今の気持ちを精いっぱい伝える。必要な選手に間違いない」と、誠意を持って交渉に臨む構えだ。

 大引は日本ハムで移籍2年目にしてキャプテンを任されるなど、チームリーダーとしての資質は誰もが認めるところ。オリックスでは遊撃に定着した安達がまだ26歳と若く、リーダータイプの平野恵は35歳でフル出場は難しいのが現状だ。獲得となれば大引に三塁のポジションを任せるプランもあり、球団幹部は「彼の守備力や、野球の面はもちろん、人間性も素晴らしい」と高評価している。

 同じく日本ハムからFA宣言することが分かっている小谷野栄一内野手(34)の調査も進めるが、現時点では大引が最優先。また同時にリストアップしていた広島を退団したキラ・カアイフエ内野手(30)の獲得を見送る方針を固め、DeNAのトニ・ブランコ内野手(33)ら国内の外国人選手の動向に注目。悲願の日本一を目指す来季へ向け、まずは大引獲得へ全力を尽くす。