阪神中西清起投手コーチ(52)が安芸キャンプを打ち上げた20日、来季3年目を迎える藤浪晋太郎投手(20)に対し「エースへの3カ条」を課した。「エースは能見だよ。まだやれっていうこと。でも(藤浪も)3年目で期待はかかるわな…」。中西コーチは笑みを浮かべ、話した。今月13日の契約更改で能見が「エース卒業」宣言してから1週間。エースの看板はまだ能見に背負わせるとしながら、近い将来のエース襲名へ藤浪に3カ条を掲げた。

 <1>勝率アップ

 藤浪は昨季、10勝6敗と2桁勝利。今季も11勝8敗で、2年連続2桁勝利だが、勝率は1年目の6割2分5厘から5割7分9厘とダウン。「2桁勝っても、かなり負けてるからな。そこだろう」(中西コーチ)。

 <2>左打者対策

 昨年も左打者を苦にしたが、今季も右打者を1割9分1厘と抑えたのに比べ、左打者には3割6厘と打ち込まれた。「(左打者の)インコース、膝元へのコントロールの精度を上げていくこと」(中西コーチ)。

 <3>イニング数アップ

 今季、藤浪は163イニングを投げた。昨季の137回2/3からは伸びているが、中西コーチは「200イニングにこだわるつもりはない。だけど今季より下がるようではいかんわな」。

 厳しい課題も期待の裏返し。日米野球での体験を終え、藤浪のスケールアップに期待がかかる。【編集委員・高原寿夫】