選手の仕切りは、俺に任せろ~!

 楽天小山伸一郎投手(36)が11日、新生楽天の“現場監督”に名乗りを上げた。来季で19年目を迎える右腕は「今年は2軍にいることが長かったんでね。(2軍監督だった大久保)監督の考え方は分かっています。みんなに伝えていけたら」と言った。大久保新監督と選手の間に立ち、支えていくつもりだ。

 今秋キャンプでは、毎日のように「伸一郎!

 伸一郎!」と呼ぶ大久保監督の声が響いた。指揮官の信頼は厚い。紅白戦で負けたチームは宿舎までランニング。あいさつは立ち止まり、帽子を取って。次々とアイデアを導入した大久保監督だが、実は、事前にある選手に相談していた。それが、小山伸だ。「監督の方から『どう思う?』と言ってくれて。『いきなりミーティングで言うよりも』ということでした」。監督の考えを理解し、他の選手に伝えた。これまでも、若手の行動が目に余れば、嫌われ役を覚悟で苦言を呈してきた。デーブ流キャンプの裏にも、ベテランの存在があった。

 この日は、寒い仙台の屋外でも半袖で練習した。「これで風邪ひいたら、何やってんだってなりますね。でも、半袖しかなかったんです」と真顔。シーズン中も半袖で通す「半袖王子」の異名に恥じなかった。選手のまとめ役として期待されるが「そういう役目だけで1軍にいるなら、周りから『なんだよ』と思われる。そうならないように。僕は、まだまだ戦力でいたい」。ドンと突き出したはと胸に、来季への決意をにじませた。【古川真弥】