日本ハムのドラフト1位、早大・有原航平投手(22)が、新人王獲得へ「マイペース調整」の重要性を説かれた。26日、母校の広島・広陵でOBによる野球教室に登場。3学年上でプロ1年目に新人王に輝いた広島野村祐輔投手(25)から「自主トレやキャンプでは飛ばさずに」とアドバイスを受けた。日本ハムでは06年八木智哉(現中日)以来、9年ぶりのルーキーイヤーでの新人王奪取へ、頼れる先輩の後押しを受けてプロの道を歩き出す。

 目標とする先輩から、有原が金言を授かった。母校広陵のOBによる野球教室に参加。少し照れくさそうに、先輩から受けたエールを明かした。「自主トレやキャンプでは飛ばさずに、しっかりやれよと言っていただきました」。12年のルーキーイヤーに新人王を獲得した広島野村の言葉を、かみしめるように心に留めた。大学からドラフト1位入団と同じ境遇の先輩から激励を受けた。

 勧められたのは「マイペース調整」だった。右肘痛でノースロー調整が続き、今月16日、キャッチボールを再開したばかり。野村は有原のコンディションを考慮して「飛ばすとケガにつながる」と警笛を鳴らした。プロ1年目はアピールすることが最優先となりがちで、決めていた調整法も見失ってしまう選手が多いという。野村は「1年は長いですから。開幕がゴールじゃない」と焦らず、自分のペースで野球人生を歩むことが大事だと強調した。

 目標の新人王へ、有原が背中を追いかける。「(新人王への)力はある。あとはどれだけ力を出せるか」と、野村から太鼓判を押してもらった。日本ハムでは10年に2年目の榊原が新人王に輝いたが、ルーキーイヤーでの受賞となれば06年八木以来となる。野球教室で地元の少年たちと汗を流した有原は「高校で(球速が)10キロ上がった。広陵での練習が良かった」と思いをはせていた。原点となる場所で後押しを受けて、プロの高みへ向かっていく。【田中彩友美】