【テンピ(米アリゾナ州)27日(日本時間28日)=四竈衛】自己ベストをクリアしてエースの称号を確固たるものにする。巨人菅野智之投手(25)が、米アリゾナでの年内自主トレを打ち上げた。今月初旬から同地入りし、ハワイでの優勝旅行を挟みながらトレーニングを継続。来季目標には2年連続の開幕投手だけでなく、15勝と190イニング到達を掲げた。

 日に焼けたたくましい表情に、エースとしての風格が漂っていた。菅野にとって、アリゾナでの自主トレは「浪人時代」の12年オフから続けており、今年で3年連続。最終日はメジャー級の選手らと一緒にメニューをこなしながら、最後は強めのキャッチボールで練習を締めくくった。

 「来季は、最低でも15勝でしょう。(個人だけで)貯金は7、8個は必要だと思っています。あと、年間190イニングぐらいは投げたいですね」。区切りのいい200イニングと言わないのも菅野流。無理にハードルを上げ過ぎず、意図的に実現できそうな数字を掲げたのも、裏を返せば自信の表れだろう。

 2年目の今季は初の開幕投手を務め、先発ローテーションの柱としてリーグ制覇に貢献。MVPも受賞した。だが、菅野自身はまったく満足はしていない。シーズン終盤には、右手中指痛と右肘痛で離脱。クライマックスシリーズ(CS)での登板機会を断念した悔しさは、今も消えていない。

 そんな教訓を生かし、オフに入るとケガをしない体力づくりに着手した。12月初旬から温暖な米アリゾナ入りし、ハワイでのV旅行を挟んでUターン。筋トレのマシンだけでなく、太いロープを振ったり、米入りのバケツに両手を入れて握力や手首を鍛える体幹強化などにも取り組んだ。

 今春のキャンプで背中を痛めたこともあり、来年2月のキャンプでは、飛ばし過ぎることなく、意識的に「スローペース」で仕上げる予定。「あえて投げ込み過ぎないようにするつもりです」。その一方で、1月には再び、温暖な地でトレーニングを継続する。3年目を迎える菅野の足取りは、確かで、力強かった。