中日高橋周平内野手(20)がレギュラー奪取への3カ条を自らに課した。今年、最も重視するのはキャンプの過ごし方。<1>毎日の早出特打<2>自分で考えて練習する<3>オープン戦で打ちまくる、の3つを沖縄・北谷キャンプから開幕にかけて実践する。4日はイオンモールナゴヤドーム前でトークショーを行い、ファンの熱い期待を浴びた。

 初売りセールでごった返す場内の雰囲気が、その1時間だけは変わった。登場の瞬間、黄色い歓声が上がった。またたく間に人の輪が連なった。限定50個の特製Tシャツは一瞬で売り切れ、一時混乱状態に。期待の大きさが表れていた。

 勝負の4年目が始まった。背番号は9から、立浪和義氏らがつけた栄光の「3」に変更。ブレークへの機運は高まるばかりだ。

 「使わなきゃいけない、使いたいと思わせる選手にならないといけない」

 高橋周は、自分に言い聞かせるように何度も口にした。開幕まで3カ月。そこに勝負をかけるための3カ条を自らに課した。

 <1>毎日の早出特打

 昨春のキャンプでは遊撃の特守を日課にしていた。今年は三塁で勝負するが昨秋キャンプまでで守備面の手応えをつかんだ。「打たないと使ってもらえない」と今年は「打」に比重を置く。

 <2>自分で考えて練習する

 昨秋、土井特別コーチと練り込んだ打法に好感触。その形をしっかり作り上げた上でキャンプに入る。「これまではキャンプで形を作ろうとしていたが、それでは遅い。どうしてもキャンプで悪くなる。キャンプはアピールの場にする」。

 <3>打ちまくる

 オープン戦で結果、内容とも求める。昨年、打率1割5厘と大不振で3月10日に2軍落ちした苦い経験を踏まえる。具体的な数字は控えたが「調子がよければ本塁打も出る。結果として本塁打も出れば」と全力を尽くす。

 昨年に続き、谷繁兼任監督からレギュラー奪取の厳命を受けた。現状、昨季ベストナインのルナに86打点&ゴールデングラブ賞の森野が一塁、三塁の両ポジションに陣取る。道が険しいのは承知の上だ。神奈川に帰省した年末年始もみっちりランニングとジムトレーニングをこなしてきた。自信と自覚を携え、再びレギュラーどりの荒波に身を投じる。【柏原誠】

 ◆昨春のオープン戦

 井端(巨人)の抜けた遊撃のレギュラーを期待され、オープン戦開幕から全7試合に遊撃で先発したが19打数2安打と散々。3月10日の練習試合・広島戦は初めて三塁に回った上、2タコに終わり、試合後に2軍降格を告げられた。打撃だけでなく失策、バント失敗なども重なった。1軍初昇格は7月までずれ込んだ。