いざ開幕へ-。阪神藤浪晋太郎投手(20)の実戦初登板が2月15日の紅白戦(宜野座)までに行われる方向となった。15日になれば昨年より5日早い初登板となり、以前から望んでいた早期の実戦登板が実現する。狙うはメッセンジャー、能見らと争う開幕投手。その道筋が徐々に開けてきた。

 藤浪にとってうれしい知らせが鳴尾浜で明かされた。朝から首脳陣が集まり行われた合同コーチ会議。その帰り際、中西投手コーチが車の前で立ち止まった。気になるプロ3年目右腕のスタートについて「考えているけれど、現段階では言えない」と口をつぐんだが、直後に方向性を示した。

 中西投手コーチ

 15日の紅白戦までには全員の顔が見られるかもしれないな。

 この日発表されたキャンプ中の実戦にヒントがある。沖縄・宜野座キャンプでは15日に紅白戦、2日前の13日には韓国・サムスンとの練習試合(宜野座)が予定されている。藤浪の昨年の実戦初登板は2月20日の紅白戦。15日の紅白戦なら5日、仮に13日にとなれば1週間も前倒しになる。以前から「正直、本当はもっと(早く)投げたかった。僕はブルペンより実戦でつくっていきたいタイプなので」と意向を示しており、思い通りの運びとなりそうだ。

 3年目を迎えるにあたり、積極的な自己主張を行ってきた。自らが熱望した広島前田との合同自主トレでは球界のエースから「脱力投法」のコツを教わった。充実のオフとくれば、その流れをキャンプにも持ち込みたい。昨年12月から早期実戦についても発言しており、希望の実現は背中を強く押してくれるはずだ。

 その先には「3・27」が見えてくる。「目指してオフの間、調整していきたい」と語ってきた開幕投手だ。もちろんメッセンジャー、能見、岩田との争いになるが、和田監督も以前から候補の1人として期待してきた。2月中旬から打者相手に投げ込むことで、シーズンフル回転へも視界は良好。開幕投手ロードが出来上がった。

 東京での「マエケン塾」を打ち上げれば、ゆっくりと休む間もなく26日に沖縄での先乗り合同自主トレへと向かう。あわただしい開幕への道のり。その密度こそが3年目のパワーとなる。【松本航】