阪神陽川尚将内野手(23)が、約30分間にわたり和田豊監督(52)の密着指導を受けた。ティー打撃を行う最中、突然陽川のバットが止まる。指揮官によってホームベースの位置に「見」の1文字が描かれた。

 地面に記された「見」は打撃の理想型だ。体が前に突っ込むことを防ぎ、字のごとく軸を中心にバランス良くスイングすることを表していた。「打ち損じが多い」と話してきた課題はこれにより改善された。指導前のフリー打撃では91スイングで9本の柵越え。0割9分9厘だった本塁打の確率が、直後のフリー打撃で1割5分6厘(173スイングで27本)に急上昇した。抜群のパンチ力に少し確実性が加わった。

 昨秋キャンプではMVPに選出された。ただ、三塁には今成、新井ら大きな壁が立ちふさがりレギュラー取りへの道は険しい。そんな陽川が信じる武器はもちろん打撃だ。「実戦で結果を出せるように頑張ります」。11日の初実戦へ、長所をさらに磨き上げる。