圧倒的なホームランショーに絶賛の嵐だ。日本ハム大谷翔平投手(20)が2日、沖縄・名護キャンプで初めてフリー打撃を行い、3連発を含む11本の柵越えをマークした。左打者の大谷からは逆方向となる、左中間へ推定135メートル弾など内容も抜群。チーム内だけでなく、視察に訪れたヤクルト前監督の小川淳司シニアディレクター(SD、57)ら他球団の007を仰天させた。

 20スイング目だった。力を抜いて左翼方向へ打球を集めていた大谷が、突如豪快にバットを振り始めた。「合わせにいくなら左方向で。(ギアチェンジは)自分でいけそうだと思ったから」。ミート重視から、フルスイングへ意図を変え、打球角度が一変。合計48スイングで11本の柵越え。20スイング目から数えれば、29スイングで11アーチと破壊力は抜群だった。

 大谷

 去年よりは確実に向上してるかなと思います。スイングスピードも上がってるかな。このまま継続してやっていけば、意識しなくても(状態は)上がっていくと思う。

 オフも休みなくバットを振り込んできた。ウエートトレーニングで体も強くなった。驚異的な飛距離が出るのは必然だった。左中間へ推定135メートルの特大弾もあり、最後は3連発で今キャンプ初のフリー打撃を締めた。試合用よりも70グラムほど重いマスコットバットで…、というドラも乗った。

 誰もが仰天し、絶賛した。バックネット裏で目を光らせていたのが、昨季までヤクルト監督の小川SD。「すごいとしか言いようがない。野球の能力が高いのは誰が見てもわかる」と手放しで褒めれば、同一リーグのロッテ八島スコアラーも「他球団にとって厄介だな」と警戒を強めた。

 チーム内にも衝撃が広がった。新外国人レアードは「左右の違いはあるけど(エンゼルス)トラウトに似ている。でもトラウトは100マイルを投げられないけどね」と、昨季ア・リーグMVPの名を挙げて驚いた。投手大谷に対しては常に厳しい栗山監督も「3年目の成長を、いい形で表現できはじめた」と褒めた。

 今日3日は再び投手メニューに組み込まれるが、6日の最初の紅白戦は野手で出場する予定。大谷は「まだ生きたボールは打っていないから、実戦に入ってからですね」。周囲が本当に驚くのは、もう少し先かもしれない。【本間翼】