3年ぶりにチームに復帰した日本ハム田中賢介内野手(33=レンジャーズ3A)が2日、二塁一本勝負を宣言した。沖縄・名護キャンプ2日目は全体練習後に特守に参加。慣れ親しんだ守備位置で自身を追い込んだ。メジャー時代は左翼手にも挑戦したが、新たなスキルは封印。かつて自分の庭だったポジションに絞って、一からレギュラー奪取を目指す。

 入団当時を思い出しながら、白球を追いかけた。全体練習後にサブグラウンドで行われた特守。田中は大粒の汗を流しながら、白井内野守備走塁コーチ兼作戦担当のノックを受けた。「疲れました。若い時にたくさん(同コーチからノックを)受けた。その時代を思い出しながら、やっています」。新人だった00年に同コーチが2軍総合コーチに就任。徹底的に鍛え上げられた昔の記憶を、よみがえらせていた。

 3年ぶりの日本球界復帰で、勝負するポジションは1つ。「セカンド一本で、やろうと思っています」と、言い切った。昨季までの2年間、苦汁をなめたのが守備だった。米ジャイアンツとマイナー契約した13年シーズン中に左翼に挑戦。なりふり構わず、念願のメジャー昇格を勝ち取ったが、日本では実績がある。06年から二塁手として5年連続のゴールデングラブ賞。「チームも、それを期待していると思う」と、外野手としての立場は封印した。

 自信はある。競争相手は昨季の開幕二塁スタメンの西川や杉谷ら。「人と競争するより、自分のプレーをしっかりするという意識。競争する気はないです」とプライドをのぞかせた。昨年12月の復帰会見では幅広くチームを支える考えを示したが、まずは、かつて不動だった定位置を目指す。

 調整も順調で「7、8割まで来ている」とコンディションも上がってきた。「焦りすぎず、飛ばしすぎず、でもアピールしないといけませんね」。夢をあきらめ、古巣に戻る決断を下したシーズン。結果でもチーム愛の深さを示す。【木下大輔】