<東都大学野球:青学大4-2亜大>◇第4週最終日◇28日◇神宮

 青学大が亜大先発の東浜巨(なお)投手(3年=沖縄尚学)を攻略し、今季初の勝ち点を挙げた。2回に捕逸で先制すると、重盗で2点目を追加。過去4度完封された東浜から38イニング目で初得点を奪った。同点の7回には4番杉本裕太郎外野手(2年=徳島商)が勝ち越し中前適時打を放つなど3連打で東浜を引きずり降ろした。

 初対決から3年目、青学大が東浜からようやくホームを踏んだ。2回2死二、三塁、捕逸で初めての1点をもらった。さらに8番筒井が四球を選び2死一、三塁。転がり込んだ幸運を手放さないように河原井正雄監督(56)は仕掛けた。9番谷の2球目、一塁走者の筒井が遅れてスタートを切る。一、二塁間に挟まれる間に三塁走者の内藤が生還した。「何かしなきゃ(点は)取れない。大きかったですよ」と同監督は振り返った。

 東浜の球数を増やす作戦も功を奏した。5回までに102球を投じさせた。決勝打を放った杉本は「(7回は)真っすぐの球威が落ちていた」と話した。対策は(1)ボール球に手を出さないこと(2)ツーシームをカットすること。それを徹底し、3連打での勝ち越しにつなげた。また東浜によれば「青学は各自が狙い球を絞ってた。スイングで分かった」と、打つ球種を絞って打席に立っていたという。

 主戦左腕の垣ケ原が開幕日のアップ中に右アキレスけんを切るなど、4年生の主力の多くがケガを抱えチーム事情は厳しい。それでも天敵を攻略しての勝ち点に「打てなくても点を取る、という意識がみんなに出たと思う」と筒井は胸を張った。【清水智彦】